ハンドル式蛇口のトラブル
お湯と水のハンドルを回して出すタイプをお使いの方も多いかと思います。時折、蛇口の水が止まらないという現象が起きますが、大抵はこのハンドルが空回りして水がきちんと止まらないことが原因となっています。
以前のブログでもこのハンドル式のトラブルについて取り上げました。参照記事➡蛇口のハンドルが固く回らなくなるのはなぜか? 蛇口のハンドル式は必ずパッキン交換できるとは限らない
今回もこのハンドル式の蛇口の特に「空回り」について取り上げたいと思います。
その原因とは何でしょうか?どうすればいいのでしょうか?
原因その1:スピンドルの摩耗
ハンドル式の水栓金具にはハンドルの内部に「スピンドル」というねじがあります。
このねじの仕組みでケレップ(水栓コマ)を押し下げたり、開放したりして水が出し止めされています。素材は青銅の金属ですが、長年使用していくと金属同士が擦れて摩耗していきます。
そうするとネジ山が徐々に削れてゆき、回転してもねじの役目を果たせなくなってしまうのです。ではどうすればいいのでしょうか?削れてしまったものは再利用は出来ません。新しいスピンドルに交換しましょう。スピンドルとハンドルがセットになっている部品が望ましいです。
スピンドルだけ交換してもハンドルを固定させるネジの口径が合わない場合があります。すべて共通ではありません。メーカーによってネジ山のピッチが微妙に違うようです。
ハンドル部も一緒に購入しておけば問題ありません。お湯と水のどちらかだけ交換すると形状の違いからちぐはぐな感じになりますので、同年数ものですので両方交換される方がよろしいかと思います。
原因その2:スピンドルの変形による固着化
スピンドルは摩耗もしますが、変形も起きます。そうなるとハンドルが回りにくくなります。そしてこの固着化は徐々に進行していきます。最初は少し力を入れる程度でしたが、段々と重くなり相当な力で回さなければならなくなります。
時折、ハンドルを回すたびに「キーキー」鳴ることがありますが、これも金属の干渉する音ですので変形の可能性があります。
そうなると負荷がハンドル裏ののスピンドルの軸受部分にかかります。スピンドルの先端はギザギザになっています。このギザギザと同じようなものがハンドル裏にもあります。そのギザギザ同士が噛み合うことでスピンドルの軸を回転させています。
そのハンドル側(プラスチック製)のギザギザが摩耗していきます。徐々に削られてゆき限界がくると山が取れてつるつるになります。その結果ハンドルを回してもクルクル回転するだけでスピンドルが動きません。こうなった場合もスピンドルをハンドルごと交換しましょう。
本体の交換時期でもある
スピンドルの摩耗時期は水栓本体の耐用年数にも限りなく近い時期に起こります。
つまり部品交換してあとどれくらい使えるのかは未知数です。
この症状が起きた場合は本体交換も検討しておくのもよろしいかと思います。ハンドル式の混合水栓は比較的本体代が安価です。ネット販売などを見ると数千円で売られています。部品を交換するよりもこちらの方がメリットがあります。
「自分で交換できないのか?」というご質問をお聞きします。
壁付水栓の場合はクランクの取り付けが難しいかもしれません。シールテープでねじ込む方法を知っていれば問題ありませんが「全く分からない」という方が簡単にできる方法が1つだけあります。既存の壁からの「クランク」(脚)をそのまま残してナットから外し、本体だけを交換するという方法です。
シールテープの巻き方についてはこちらのYouTube動画で解説しています!
こちらからどうぞ➡➡https://youtu.be/ppppRP4eHW4
しかし!この方法は同じメーカーの水栓に限ります。
なぜならメーカーが違うとクランクの袋ナットの大きさやネジのピッチも変わります。同じメーカーのものであれば大抵取り付けが可能です。万一違っても変換アダプターという部品が販売されています。お近くのホームセンターか資材屋さんで調達しましょう。
この「PT242S」定価¥1,900(税別)は三栄またはINAX製の本体からTOTO製の本体を取り付ける場合に使えます。逆にTOTO製の本体から三栄やINAX製の本体を取り付ける場合は「PT243S」定価¥1,800(税別)が使えます。
KVK製やカクダイ製のナットの無い偏心管に取り付ける場合は上記の変換アダプターを使うことで本体だけを交換することが可能です。「PU35-170X」定価¥3,200(税別)です。
ハンドル式からシングルレバー式へ交換
せっかくなのでハンドル式からレバー式に交換してみるのはいかがでしょうか?レバー式の方が故障が少なく便利な使い心地です!
今ではハンドル式よりもシングルレバー混合水栓が主流になっています。このシングルレバー混合水栓はハンドル式のような水栓コマを使用しません。レバー内部に「カートリッジ」(こちらも参照➡蛇口の水ポタは大抵カートリッジで直ります)というパーツがありお湯と水を混合させる部品があります。
こちらの商品がお勧めです。お値段もお手頃となっております。ご必要な方は画像をクリック!
ゴム製の部品では無いため劣化がほとんどありません。もちろん寿命はありますが、故障は少ないと言えます。しかし、便利で長持ちするゆえに本体価格は若干お高くなりますが、使い勝手の良さを体感すれば納得されると思います。
特にご年配者の方はハンドルをひねる動作が力や手首の動きが必要になりますので、うまく閉められなくなってしまう方もいらっしゃいます。その点、シングルレバー水栓はレバーの上げ下げのみの操作ですので非常に便利で使いやすくなると思います。
それでハンドル式の蛇口をご使用の方は故障のタイミングでこのシングルレバー混合水栓に交換されることお勧め致します。
更新日:2020年12月9日