蛇口のハンドル式は必ずパッキン交換できるとは限らない

2ハンドル混合水栓とは?

 

蛇口の中でも今なお広く使われているものは「2ハンドル混合水栓」です。

お湯と水をハンドルをひねって出すものです。昔は単水栓が水とお湯とを別々に取り付けられていましたが、お湯と水を混合させる水栓が開発されたことは非常に画期的なものと言えます。

2ハンドル混合水栓の仕組みは至って単純です。

ハンドルの下には「スピンドル」と呼ばれるネジになった部品があり、その下にコマパッキン(こちらも参照ください!➡蛇口のパッキン交換で水漏れを直す方法)があります。

ネジ式ということからその原理のごとくネジを締める回転をさせると下に押し下げられパッキンのゴムで流水穴を塞ぎ水が止まります。ネジを緩める回転をさせると上に上がりパッキンが浮いて流水穴から水が出てパイプから流れてきます。

水が止まらなくなる原因は「パッキン」の劣化です。

しかし、ハンドル式の蛇口がすべて同じ原理という訳ではないのです

ハンドル式でもパッキン交換できない蛇口とは?

それは「開閉バルブ型ハンドル水栓です。

この開閉バルブ型のハンドル水栓とは、こんな感じの蛇口です。

 

 

これは洗面台用の2ハンドル混合水栓ですが、浴室にも似たような蛇口が付いてい場合もあります。同じハンドル式でもこのタイプはパッキン(水栓コマ)式ではありません。


KVK スピンドル KPS018
 

このタイプの開閉バルブはハンドルの下には「回転扉」のようなスピンドルがついています。つまり、力で抑え込む方式ではなく回転させて水が出る「回転ゲート」を開けるようにして水が出てきます。

 

 

ですからハンドル自体が軽く回転数があまりありません。軽く回すだけで水の出し止めができる仕組みなっています。残念なことに各メーカーでこのタイプは今では販売もされていないようです。このタイプが上の写真のように浴室の浴槽横に付いている蛇口とも共通しています。

このタイプでの水漏れはどうやって修理すればいいの?

残念ながら蛇口自体が販売終了品で、当然のごとく製造もされていません。つまり交換できるパーツはすでにありません。つまり「修理での対応はできない」という事です。

修理ができない蛇口は交換しか方法はないのです

そしてこのタイプに合う水栓金具は販売されていないため洗面台ごと見直していただくことになります。そこまではとても厳しいという方は、いろいろと工夫して今お使いの水栓の穴を活用できる蛇口を取り付けることが可能です。

 

 

例えば、TOTO製で言えば「T210SNS C」(定価¥4.900(税別))または「T205UNR C」(定価¥3.400(税別))などをお水とお湯に1つずつ取り付けるという方法です。3つの穴のうち使わない穴を塞ぐ「カウンター化粧蓋」というものがあります。そういったものを活用すれば低予算で補修することは可能になります。

見栄えは正直とてもいいとは言えません。

解決策として洗面台ごとリフォームする

 

 

洗面台ごとリニューアルさせることができます。特にキャビネットタイプの洗面台ならご自宅の洗面台の間口に合ったサイズのものをチョイスできます。ミラーキャビネットも選べるのでお好みのものを設置できます。

浴室の場合はそう簡単にはリフォームできません。

蛇口のみのリフォームを検討してください。ただしユニットバスの構造上水栓のみの交換ができないタイプもありますし、浴槽を一度外さないと工事ができないタイプもあります。そうなると意外と手間がかかり、経年数によっては浴室のリフォームが必要になってしまう場合もあります。

今回は特殊な2ハンドル混合水栓の場合を取り上げました。該当される方は参考にされてください。

更新日:2020年5月5日