水漏れが起きるのがトイレ
水漏れしやすい箇所して挙げられるのが「トイレ」です。でもその症状は様々あります。一口に水漏れと言っても原因や対処の仕方が異なります。中には原因が分からず、どう対処したらいいのか悩んでしまうこともあります。
今回はこれまでもブログで取り上げてきましたトイレでの水漏れトラブルの症状と原因、更にはその対策についてまとめてみましたので、お困りの皆様のためになればと思っております。関連した記事のリンクも貼っておきますので詳しい解説は特集記事をご覧ください!
*トイレの便器と床の設置面に水が溜まっている*
気が付くと、トイレマットがビショビショに濡れていたり、お掃除した際に便器と床の間から水が漏れていることがあります。真っ先に考えるのは「便器から水漏れしている?」と言うことではないでしょうか?しかし、この水漏れで一番初めに睨むべきなのは・・・
「温水洗浄便座」です
今では温水洗浄便座を利用している住宅がほとんどです。操作ボタンを押せば洗浄ノズルが出てきておしりを洗浄してくれる日本が誇る、家電です。しかし水を制御して使う家電は寿命が短いことでも知られています。ちなみに温水洗浄便座と全自動洗濯機ともに寿命は7年です。
特に洗浄ノズル周辺や貯湯タンクの下部から水漏れが始まります。トイレの床に水漏れする場合、この温水洗浄便座をよく点検すると水の流れていた跡を辿ることができます。あるいは雫のような水漏れ箇所が判明します。7年以上ご使用であれば修理よりも交換をお勧めします。
温水洗浄便座はDIYで自分でも取り替えが可能です。その際にはこちらを参照ください ➡️ ウォシュレット取り付けでよくあるトラブルとは?
*常にトイレから水漏れしているような音がする*
特にトイレのタンクから「シューシュー」とか「ピチャピチャ」といった音が常に生じているとすればタンク内で水漏れが起きていると思われます。どういった原因で起きるのでしょうか?
タンク内には幾つかの制御部品で構成されています。壁や床から給水管が伸びて止水栓を経て給水管がトイレタンクに繋がっているいます。タンクの中にボールタップという水を定水量で給水させる部品があります。またタンクレバーを引くと開いたり閉めたりするゴム状の排水弁があります。
こうした制御部品が経年劣化していくと上記のような水漏れが生じます。一番厄介なのは「排水弁」を取り付けるサイフォン管が折れている場合です。特にINAX製のサイフォン管に起きやすくなっています。レバーで上下する排水弁(フロートバルブ)の動きに少なからずサイフォン管に衝撃が加わります。それによってポールの根元でヒビや破損が生じてしまうのです。
トイレタンクを動かさずに部品を交換できるのが、給水管・ボールタップ・排水弁・タンクレバーです。ただしサイフォン管はタンクを取り外してでないと交換ができません。タンクの脱着は古い便器であればあるほどボルトの腐食などが激しい場合があり取り外しに苦労します。
錆で取り外しづらい場合はタンク下部の外側のナットやネジ部に潤滑油を吹き付けて、密結ボルトのタンク内側のネジ山をプラスドライバーで押さえておいてナットを工具で外してみてください。大抵は取り外せます。この機会に密結ボルトを交換しておきましょう。三栄水栓のR44がいいかと思います。
タンク内のサイフォン管の取り替えの方法はこちらのブログを参考にして行ってください。トイレタンクの水漏れがサイフォン管の場合 トイレの水が止まらないのはサイフォン管の破損? このサイフォン管にもメーカーによってサイズや形状が異なります。TOTO製などは32mm・38mm・51mmと3種類口径が異なります。INAX 製で55mmと少し広い感じのタイプもありますので取り替えの際は口径を間違えないように注意してください。
ボールタップがいつまでも水漏れしている場合、ボールタップの故障か排水弁(ゴムフロート弁)の劣化が考えられます。ボールタップは浮き球の浮力によって弁帯が開閉して給水を出したり止めたりする部品です。この動作を何十年も繰り返しているため動きが悪くなり、水が止まらなくなったり、出続けたりします。こうした症状が見られる場合は、ボールタップを交換しましょう。
同じような症状でも、ボールタップではなく排水弁が劣化しているために水が止まらなくなることが起きます。この排水弁はほとんどがゴム製となっています。その理由はタンク底部で水圧によって止水させるためです。ゴム特有の伸縮性が効いて排水口部からの水を止めます。
ゴムである以上、タイヤと一緒で経年によって摩耗もしくは消耗してしまいます。特にずっとタンクの底で水に浸かっているためゴム表面が溶解して行きます。その結果、止水ができず徐々に水が漏れ始めていきます。タンクの底で水が止まらないと水がタンクの水量が徐々に減って行って水位が下がります。そうなるとボールタップの浮き球が下がり始めて給水が始まってしまいます。その状態が繰り返されて水漏れがひどくなっていくのです。
それでタンク内での水漏れが起きた場合は、ボールタップと排水弁の両方を交換しておけばどちらの症状であっても解決します。それほど高くない部品ですので惜しまず両方交換しておきましょう。
*給水配管からの水漏れ*
トイレの水漏れの中でも意外に気付きにくいのが、この給水管からの水漏れです。給水管とはトイレのタンクに繋がっている配管のことです。比較的近年に製造された便器のタイプにはタンクから給水ホースが取り付けられるようになっており、そのタイプではほとんどこの水漏れが起きなくなっています。
ここで取り上げるのは、古い便器でメッキ銅管で繋がっているタイプの給水管のことです。たんくの横に止水栓があるかと思いますがその止水栓からタンクに繋げるためのパイプの連結させるナットから水漏れしてきます。
特に銅にメッキが施されている管がほとんどですが、経年により配管の内側から腐食が進行していきます。徐々に連結部にも影響を及ぼし、破損したり変形したりします。また差し込みパッキンや平パッキンなどもゴム製なので年数によってゴムが硬化して割れたりします。そうしたことが原因となって水漏れが始まってしまうのです。
対策としては、既存のパイプがそのまま使えるかどうかを見極める必要があります。腐食が激しいようでしたら交換した方が賢明です。ステンレス製のフレキシブル管に交換すれば長持ちします。専門業者向けのホームセンターなどではサイズごとにフレキ管が販売されています。長さを測ってぴったりの長さのフレキ管を見つけられるかもしれません。
まだ劣化がそれ程見られないようでしたら、パッキンを交換すれば直ります。13mm用のパッキン又は差し込みパッキンを購入ください。ただし給水管からの水漏れでも別の違った原因で水漏れしてくる場合があります。そのケースにつきましては、こちらの記事を参照ください➡️ トイレで多い給水管の水漏れ トイレの給水管の水漏れは交換した方がいいのはなぜ?
*TOTO製トイレタンクで起きやすい水漏れの症状*
TOTO製のトイレタンクで特に起きやすい水漏れがあります。こちらの記事で特集しています。タンクからの水漏れは蓋の裏が原因かも? TOTOタンクのダイヤフラムを交換する 特にタンクの蓋の裏に付いている手洗い管からの水をタンク内に落とすための黒い丸いスポンジが陶器に貼り付けられています。このスポンジが剥がれてタンク内容器の内蓋の上に落下してタンク内に水が入らないように堰き止めてしまうことがあります。
タンク内の内蓋で水が溢れ、内容器の外側を溢れた水が漏れ出して密結ボルトの下から水が床にたれていきます。この水漏れもなかなか原因を見つけにくいところでもあります。TOTOのトイレの場合、タンクの蓋を開けて内容器の内蓋の上が水浸しなっていたり、スポンジが半分取れかかったりしていても同様に水を溢れさせて外部に水漏れさせてしまう原因となります。
もう1つは、タンク内のボールタップが故障した場合です。TOTO製のタンクでは特殊なボールタップを使用しています。この部品の内部にある制御部品のダイヤフラムが7〜8年くらいで劣化してしまうようです。ダイヤフラムを交換することで解消してしまいます。
ただし交換の際は、正しい手順で行わないと噴水状態で思わぬ被害が及びます。特にマンションや集合住宅の場合は注意して行いましょう。樹脂製のパーツは工具などで締め付けし過ぎると割れたり破損の危険性がありますので取り外しや取り付けの際は注意してください。
この他にも便器が動いてしまうことで排水が漏れるといった水漏れも起きることがあります。トイレの便器がきちんと固定されていますか? 👈 こちらの記事を参照ください。放って置くとかなり深刻な事態になってしまいます。お早めに専門業者にお願いして改善を図りましょう!