トイレの水が止まらない
一度流した途端に水が止まらなくなることがあります。いろいろな原因が考えられますが、一番厄介なのは、「サイフォン管」と呼ばれる部品の破損です。「オーバーフロー管」とも呼ぶことがあります。何かの故障で水が出っ放しになった場合、タンク内に水が一杯になり外に溢れる前にその管を使って便器に逃がすという役割があります。
またサイフォン管にはタンク内に溜めておく適量の水量がどれくらいか?はっきりと分かるようにウォーターライン(WL)が記されています。つまりこの水位を保っておくようにというものですがそれよりも上回ったり下回ったりしても特別問題はありません。ただし多過ぎる場合は注意が必要となります。こちらも参照➡トイレの水が突然止まらなくなったら?
しかし、今回は「サイフォン管」によるトラブルです。どのタイプのものと言えば・・・
これです!
INAX製(現在のLIXIL)のサイフォン管です。
何が問題かと言うとこのサイフォン管のパイプの付け根辺りを拡大してご覧ください!「亀裂」があるのをご覧いただけるかと思います。なぜこんな破損の仕方してしまうのでしょうか?これにはINAX製特有のフロートバルブ方式にあります。
先回のブログでは半月型のフロートバルブの交換(フロートバルブを交換する方法)の仕方について取り上げましたが、このフロートバルブは球型のものです。INAX製はすべてこの形となっています。写真でお分かりようにレバーに繋がる玉鎖が球型フロートバルブの上に付いています。レバーを引くとその球型フロートバルブが持ち上がりそのまま抜けないようにすぐ上に輪っかのようなものがストッパーになっています。
その輪っかに球型フロートバルブが当たりサイフォン管の根元に衝撃が加わります。この動作を毎日何回も、そして何年も繰り返していき限界が訪れるのです。
どうやって修理するの?
この部品の交換に関しては以前のブログで写真付きで解説させていただております。こちらをご覧ください➡トイレタンクの水漏れがサイフォン管の場合 この修理は自分で直すには少しハードルが高い感じがしますが、やってみたい!という方のために今一度簡潔に解説させていただきます。
まず、止水栓を閉めてタンクの給水管を外してください。タンクの水をすべて流し空にします。 その後、タンク下部にある密結ボルトを外します。そうするとタンクが外れます。タンクを床に置いてそこについているサイフォン管の取付ネジを回して外します。
古いサイフォン管を抜き取り新品に取り替えます。この時タンク内の位置を以前と同じところに付くようにしてください。向きを間違えるとやり直しになります。装着できたらタンクを取り付けます。ボルト締めは程ほどのところで止めてください。タンクが動かなければ大丈夫です。力を入れすぎると陶器が割れてしまいます。
便器側には「ディストリュビューター」という配管があり、そこに差し込むように取り付ける必要があります。タンクを装着する際は垂直にその口がサイフォン管の中にはまるように差し込んでください。歪んではめてしまうと水漏れしてきます。きちんとはめ込めれば成功です。
とても無理かな?と思われた方はやめておいてください。
INAX製のサイフォン管の型番や値段についてはこちらのブログをご覧ください!➡トイレタンクの水漏れがサイフォン管の場合 大型のDIY店や業者専用の資材屋さんに置いてあるかもしれません。他のメーカーや同じメーカーでも型番違いだと合いませんのでご注意ください。
交換ができない場合の応急処置は?
交換したくても部品の調達や時間がかかる場合は応急的に何かできないのでしょうか?
出来ます。
「水中ボンド」というものが販売されています。「エポキシ樹脂系接着剤」です。2液混合タイプもあります。使い方に注意して亀裂の入った部分にくっ付けます。粘土のような感じの接着剤です。適量を付けてフロートバルブ等にくっ付かないように気を付けてください。「水中ボンド」は単体ですとネット販売で¥700前後であります。ただし送料は別です。
当面はしのげるかもしれません。長期的に持つかは保証できません。お試しあれ。