トイレの給水管からの水漏れ
トイレの床に水が溜まっているのに「どこから水漏れしているか分からない?」という場合は「給水管」からの水漏れを疑ってもいいかもしれません。給水管とはどこの配管のことなのかイメージ付かない方もいらっしゃいますが以下の写真をご覧ください。
つまりタンクの横に付いている給水の配管のことです。
この給水管も経年により劣化して水漏れしてきます。大抵は接続部分の「平パッキン」(13mm用)を交換すれば止まることがほとんどですが、給水管の劣化具合によってはそれでも水漏れしてしまうことがあります。特に写真のような銅メッキの配管は経年劣化している場合があります。
*劣化具合を見定めるポイントは表面に緑青錆(りょくしょうさび)が出ているかどうか? *メッキ塗装が剥がれたりしていないか?
こういったことで判断できます。この銅メッキの素材は腐食します。そうなると金属による強度も落ちますので少しの衝撃で損傷してしまうこともあります。
また長年付いていることで接続部分の「鍔」(ラッパ)が変形してしまう現象も起きています。特に止水栓やボールタップ側にこの鍔があり、平パッキンを挟んで6角袋ナットで締め着けています。この鍔が少しでも変形してしまうと幾らパッキンを交換しても水漏れしてしまうのです。
給水管の交換
給水管の交換についてご説明致します。
まず止水栓で水を止めます。それからモンキーレンチなどで6角の袋ナット(タンク側と止水栓側)を回して既存の配管を外してください。それを基準に新しく設置する配管の長さを測ります。通常の密結タンクの洋式トイレの場合は300mm~400mmくらいがほとんどです。写真のようなユニットバス内でのトイレの場合はまちまちで500mm~600mmくらいの長い配管の場合もあります。
どのような配管を用意すればいいのですか?
一番いいのはステンレス製の「フレキシブル管」です。通称「フレキ管」。
このフレキ管のメリットについてご説明します。
まずフレキシブルの意味通り、自在に形を変えることができます。角度をつけたり曲げたりすることが可能です。設置個所に合わせて曲げたりして取り付けができます。
さらにステンレス(SUS)で出来ていますので、錆びにくいという点があります。ほぼ永久的に使えるものです。もちろん接続部分はパッキンですのでパッキンに劣化は起こり得ますが、配管自体は長持ちします。
また振動や衝撃にも強いという点があります。金属ではありますが、フレキシブルな動きが多少の上下左右の動きにも柔軟に対応できます。よく古い住宅のトイレではトイレの床が腐りかけていて便器が使うたびに床が沈んで動くという家もありました。こうした動きにはメッキ管は対応できません。トイレの床が動けば便器も給水管も一緒に動きます。この動きが問題です。何度も繰り返されれば恐らく接続部分から水漏れが始まってしまうことになります。
このような場所ではフレキ管に替えるだけで問題を防ぐことが出来るのです。
簡単に購入できます
ホームセンターや資材DIY店などには、フレキ管が袋ナット付で販売されています。止水栓からボールタップの付け根までの寸法を測ります。ぴったりした距離の長さよりも少し余裕のある長さのものを選びましょう。「大は小を兼ねる」のことわざ通り、長ければ折り曲げていくらでも取り付け可能ですが、短いとどうにもなりません。
水道屋さんはフレキ管を自分で作ります。巻フレキから採寸した長さで切断し、袋ナットをフレキ管にはめて鍔だし器で鍔を作ります。詳しい方法や道具についてはこちらのブログをご覧ください。➡水道屋さんの道具 鍔出し器とパイプカッター
フレキ管に交換すればほぼ安心です。ぜひお試しあれ!