水道屋さんの道具 鍔出し器とパイプカッター

一番よく見る金属パイプ

洗面台の下や屋外の給湯器の下に銀色のフレキシブル管を目にすることはありませんか?トイレの脇のパイプとしても使われている所がありますね。その利点は使う場所の配管の長さに合わせて作ることが出来るという点です。また自在に曲げたりすることも出来ます。素材はステンレス製なので錆びる心配もありません。衝撃にも強く長持ちします。ホームセンターなどでは、ある程度の長さのものが既に作られていてナット付で販売されています。



どうやって作るのか?

このフレキシブルの管をオーダーで作るにはどうすればいいのでしょうか?我々は需要が高い部材なためフレキ管を巻いた状態のもの(10m分)を購入し、自分たちで採寸して丁度良い長さのものを用意します。その巻きフレキ管をきれいに切断するのに欠かせないなのが「パイプカッター」です。これは自分が使っているものですが回転するゴムの間に長いフレキを入れて真ん中にある丸いカッターで回転させながら徐々に切っていきます。

このカッターの切り方が雑ですとちゃんとしたフレキ管が作れません。あとで取り上げますが鍔だしの際の表面がガタガタになってしまい。それが原因で取付後は必ず水漏れがしてしまいます。それで中心の回転刃を徐々に絞って回転させながら切る訳ですが、丁寧な作業が求められます。

切断できたフレキ管に袋ナットを組ませる必要があります。その際の鍔だしに使うのが「鍔だし器」です。これは一番原始的な部類になりますが、脇のネジを緩めて中の黒い金具を取り出します。フレキの山3つ目辺りに黒い金具を挟め真ん中の丸い杭のような金具で上から叩きます。すると山3つ分がぺしゃんこになってフレキ管の鍔だしができます。ここで上にある通り切断面がきれいでないと叩いた表面がフラットにならずパッキンを入れても水漏れがしてしまいます。

不十分なフレキ管の恐怖

以前、同業者の事例で高層階のマンションの給水管を取る替えることになり、その作業員はフレキ管を用意しました。恐らく上記のような工程で長さを合わせて作ったと思われます。しかし、鍔出しがの工程が不十分でした。もしかしたらパイプカッターでの切断の段階で雑だったのかもしれませんが、その状態のフレキ管を取り付けて終了しました。が、数日後大変な事態になってしまったのです!




それは取り付けたフレキ管の袋ナット部分から水漏れがしていました。そのことに気付かない居住者がある日、階下の住民から苦情を言われました。天井から漏水していて家中水浸しになっているとの事。不幸なことに真下の階にはオフィスとなっていて連休か社員旅行かで数日間いませんでした。そのため発見が遅れ、漏水がかなり長引いたこともありオフィスのパソコンやデスクに水がポタポタと落ちてしまったようです。もちろんパソコンは故障し、中のデータも消えてしまいました。原因を探っていくと交換したフレキ管からの水漏れであることが判明しました。もちろん責任は施工業者である水道屋さんにあります。その仕事の依頼が大手の緊急水道トラブル対応の会社からの依頼だったこともあって作業員がすべて弁償することは無かったのですが、被害総額はかなりのものになったと聞いています。この話はその対応会社の社長から聞きました。

水道屋は道具を持っているだけでなく、その使い方にも熟達していなければなりません。手を抜けば必ず問題が生じます。水は特に甘く見てはいけません。きちんと直さなければ必ず水漏れしてしまいます。いつも肝に銘じているのは「交換する時間より交換した後の点検に時間を取れ」という言葉でした。いつも心がけていないと見落としてしまい結果的に様々な方に迷惑をかけてしまう仕事です。毎日気を引き締めて作業したいと思った事例でした。

なんか道具の説明じゃなくなってしまい申し訳ありません。