トイレの水を給水させる管
この配管のことをサプライ管とか給水管と呼ぶことがあります。タンクに繋がっている細い配管がそれです。特にメッキの場合に経年劣化により水漏れしてくることが多くなります。
これがなかなか気付きにくく最初はトイレの床が水浸しになってようやく分かるということが良くあります。良く見ると配管の付け方がおかしい場合や補修が難しそうな場合もあります。上の写真のように止水栓と距離が近いケースは交換が難しくなります。
水漏れの原因には幾つか考えられます。
- 袋ナットの平パッキンの劣化
- 給水管の変形または破損
給水管接続部の袋ナットのパッキン
給水管は常に13mmと決まっています。唯一違うのは小便器の給水管です。押すと水が流れる小便器の給水管は16mmとなっています。この給水管の連結部に入っているのが13mmの平パッキンです。このパッキンにはゴム製とノンアスベスト製や樹脂製などがあります。
常時ナットに挟まっているのですが、経年によってゴムが硬くなり止水できなくなります。まず止水栓を閉めてモンキーレンチなどで袋ナットを外し古いパッキンを取り除いて、新しい13mm用のパッキンをはめてナット締め直せば大抵は水漏れが止まります。
それでも水漏れが止まらない?や水が滲んでくる?場合は・・・
給水管の変形か破損
古い便器の場合は大抵メッキの銅管が使われています。止水栓側は差し込み式になっていてタンク側はナットでパッキン止めになっています。中にはタンク側もボールタップに直接差し込む接続になっている給水管もあります。
上記写真のような場合はナットのパッキン止めになっています。この配管は接続部分が「ラッパ」(鍔出し)になっています。その部分が長年の使用によって徐々に変形してくる場合があります。そうなるとパッキンを幾ら交換してもすぐに水が漏れたり滲んできたりします。
その場合は給水管を交換する必要があります。一番いいのは以前のブログでも紹介しましたステンレス製のフレキ管にすることです。こちらを参照➡️トイレのパイプから水が漏れる トイレの給水管の水漏れは交換した方がいいのはなぜ?
フレキ管で繋ぐことが困難な場合
冒頭の写真にもありますが止水栓とタンクとの距離が極端に短く隙間が狭い場合もあります。短いフレキ管をオーダーして作ることもできますが、あまり余裕が無さ過ぎても良くありません。タンクの傾きや重さが加わるようなことがあれば止水栓の根元に負荷がかかり古い配管ですと折れてしまう危険があります。
このような時に活用できるのがホース式の給水管です。
洗浄便座などを購入されると付属品としてこのようなホースが入っているかと思います。長さは約300mm(30cm)くらいのものです。この給水ホースは距離が狭い箇所で活用できます。
ホースの特徴を活かして曲げたり輪っかにしたりが自在にできます。この場合もこの給水ホースで取り付けが可能になりました。タンクや止水栓のどちらにも負荷がかからない方法です。
この方法はあくまでも特殊なケースの場合です。給水管のスペースが十分取れる場所ではフレキ管の方が最善かと思われます。ホース式の給水管は水圧にも強く腐食も起きません。
ただし取り付けの際に注意が必要です。
袋ナットを工具で締めて行くとホースも供回りしてしまうことがあります。そのまま捻って締めるとホースがよじれて給水口径が狭くなってしまう危険があります。ホースが供回りしないように銀色の金具部分をプライヤーなどで固定させながらナットを締めてください。
このホース式給水管はTOTO製の「TCA61-3R」フレキホースです。定価¥1,650(税別)となっています。ご必要な方は下記の画像またはテキストからお求めください。
この給水ホースにはストレーナが付いています。ストレーナとは配管からの給水に錆やゴミ等が混じっていた場合にそれをキャッチしてボールタップ内に侵入させないようにしています。このフィルターがあることによってボールタップ内の弁体に錆やゴミ等が侵入して弁の動きをおかしくしてしまうことを避けられます。