賢いリフォーム便器の選び方とは?

古くなった便器を交換したい

トイレもだいぶ老朽化してきて水漏れや流れの悪さが目立ってくることがあります。便器(陶器)は破損が無い限り半永久的使えるものと言えますが、タンク内の制御部品や温水洗浄便座が壊れてきたり、便器に付着した汚れが落ちにくくなってくるとこう考えますね。

 

そろそろ便器を交換した方がいいかも?・・・

でもどんなトイレにしたらいいのか?」「失敗しない便器選びは無いのかな?」とお悩みの方は必見です!リフォーム用の便器って何?水道屋さんがお勧めするのはどんな便器か?逆にやめといた方がいいのはどんな便器か?こうした疑問にお答えします!

1、リフォーム用の便器とは?

トイレは排水管の位置によって取り付けられる「便器」が決まります。(今回は床排水の場合)

 

 

排水の位置とはトイレの床から排水させる配管が床面のどの辺りにあるかという点です。突き当りの壁から何mm離れているかです。最近の新築戸建ての場合は排水芯正面壁から排水管の中心までの距離)が200mmとなっているはずです。

しかし、20~30年前やそれ以前の住宅ではこの排水芯300~550mmくらいに位置している場合があります。昔は排水管の口径や規格もまちまちで家の造りによってバラバラに配管されていました。

この「ズレ」を解消させるために用意されたのが「リフォーム便器」なのです。

この仕組みについてはこちらのブログを参照ください➡ 便器交換したい方は必見です! 尚、マンションなどに多い床上排水の場合の排水芯とは床面から便器から横に排水させる穴の中心までの距離のことです。大抵は155mmとなっています。(中には120mmというものもあります)

2、お勧めするものとしないものとは?

お勧めするのはノーマルな陶器製の便器とタンクのセットの便器です。

 

 

え!せっかく交換するのに今までと変わらない便器にするのは嫌だな~なんて言う人もいるかもしれませんが、以前に比べれば機能も仕組みも違っています。例えば水量が少ないこと抗菌・防カビ・防汚コーティング加工や、縁(ふち)の無い便器などもあります。

つまり交換するだけで昔とは全く違うものになるということです。

更なるメリットは「値段が安い」という点です。もちろん便器や温水洗浄便座にたくさんの機能性を持たせれば持たせるほど金額は上がっていきますがノーマルなものでほぼ十分です。これまで仕事でお訪ねしたお客様から分かったのは余計な機能があってもほとんど使っていないということです。つまり不要なのです。

使わない機能があるために10万円前後の余計な料金を支払うのは、非常に勿体無いことではないでしょうか?ノーマルな便器にすることで予算が余ればもっと必要なものに充てられますよね?

お勧めしない便器は何か?

1つは「ウォシュレット一体型」の便器です。

 

 

なぜなら・・・購入時の価格が高いという点に加え、温水洗浄便座部分が故障したり、一体型タンクの内部部品が故障した場合、修理費用がかなりかかります。こちらを参照ください➡ウォシュレット一体型のデメリットとは?

修理には時間もかなりかかります。一般の水道屋さんでは対応不可です。依頼はメーカーメンテナンスにしてください。(メーカー側が一体型の部品を一般業者に卸していません。)毎日使う設備ですので故障は必至ですが、その時が一番厄介になります。

もう1つは「収納棚付きトイレ」(インテリア便器)です。

 

 

見栄えの良さは抜群です。タンクも見えません。トイレというよりインテリア感覚な家具のような感じです。しかし、タンク内部で故障するとこれも修理しにくい事態になります。

加えて棚の内部はカビや埃の温床になっています。

まず普通は棚の内部を見たりすることはありません。この場合、両サイドの部分が小さな扉になっていて、その中に配管や止水栓などがあります。そのため空洞になっています。つまり普段お手入れが出来ないところとなるのです。

 

 

例えばトイレが詰まって溢れさせたとします。またトイレ床に何かをこぼしてしまったとします。当然すぐに床を拭いたりお掃除してキレイにしようとしますが棚の内部はできません

しかし、汚水はその下にも流れ出ているはずです。お掃除できないまま放置状態になってしまいます。悪臭やカビ・埃の温床(ダニの餌)になるのは必定です。

つまりお掃除できないスペースを作ってしまうのです。外面はいいですが、内部は怖いですね。

設置工事は通常のものより高額になります。

さらに挙げるとすれば「タンクレス」便器です。

 

 

どこが悪いの?と思われるかもしれません。こちらも参照ください➡トイレ交換するのでタンクレスはどうですか?

「タンクレス」は一定以上の水圧が求められます。少し前まで水圧が弱い所では増圧するためのブースター(別売)が必要になる場合がありました。今ではブースターが内蔵されているタイプが販売されています。

ご存じの通り、タンクが無いので排水は「電磁弁」で行います。電気の力で排水させます。つまり「停電」に弱い便器とも言えます。もちろん緊急時用のレバーなども設置されていますが、安定した電力供給が要となります。

 

 

過日の台風被害ではいわゆる「タワマン」(タワーマンション)で地下の電気設備が水没して停電が長引いてしまい、全く生活できない状態になってしまったというニュースは記憶に新しいかと思います。このタンクレスは停電にもろに影響を受けてしまいます。

便器の中でこの「タンクレス」が一番高額です。1台でノーマル便器が2~3台買えますよ。

上記の2種類の便器同様、タンクレス便器も修理が難しい電気部品となります。すぐに直りません。

上記の点を踏まえてリフォーム用の便器をご検討の際には参考にされてくださればと思います。これまで挙げた所見はあくまでも個人的なものです。ユーザー様の好みやこだわりなどの選択を阻害するつもりはありません。尚、交換後に生じた不利益等の責任は負えませんので予めご了承ください!

更新日:2020年9月24日