トイレは大きく変化してきた
トイレの便器はこれまでいろいろと変化を遂げてきました。日本では和式便器から洋式便器に変化してきました。生活スタイルが欧米化してきたため使用される設備も大きく変わってきました。
その後、資源の無駄使いを減らすことに特化したトイレが開発されてきました。それは排水に使う水の量を減らす技術も進化させてきました。そして今ではトイレタンクを無くしたタンクレストイレを生み出しました。
トイレの交換時期とは?
トイレは年数が経つごとに劣化していくものです。いろいろと不具合や老朽化の色が目立ってくるかもしれません。実際に調子が良くない便器をお使いかもしれません。
そろそろ便器を交換しないとダメかな?とお感じの方や交換を希望している方は次のトイレとして「タンクレス」トイレを候補に挙げているかもしれません。
こちらも参照➡トイレを交換しないといけない3つの理由
タンクレストイレとはどういうものか?
「タンクレス」という名前の通り、水を溜めるタンクがありません。
従来は排水させるための水をタンクに溜めて一気に流すことで汚水を排水させる方式でした。それを「洗い落とし式」と言います。便器の後ろに「ロータンク」と呼ばれる水を溜めるタンクが付いていましたが、そのタンクを無くしたものが「タンクレス」トイレです。
「タンクレス」トイレはどうやって水を流すのでしょうか?
基本的には給水管を直結させてその水圧を利用して流しています。
ゼット管という穴から水を噴射させて排水を助けます。ただ水を出すだけですと排水力が弱いため、便器内で水流を作る仕組みになっています。一定の水が溜まり電磁弁が開いて一気に排水させます。この動きのほとんどが電気制御されています。
タンクレストイレのメリットとは?
ではこのタンクレストイレの5つのメリットについて取り上げたいと思います。
メリットその1
非常にコンパクトで省スペースとなります。従来のタンク式のトイレよりも長さが約10Cmほど短くなりますのでトイレの空間が広がります。特にスペースが限られているレストルームの場合はコンパクトになることで広さを確保できるようになります。
メリットその2
またおしゃれ感が違います。便器というよりはお洒落なチェアーのような感覚になります。最近ではかなりグレード感の高い(値段も破格)タンクレス便器も販売されています。
メリットその3
節水の能力も高く経済的です。排水が電気的な仕方(電磁弁)でなされるため最小限の水量しか使用しなくなります。特に10リットル以上のタンクをご使用の場合はこのタンクレスに替えることでかなりの節水効果が見込めます。つまり経済的で節約できます!
メリットその4
トイレ自体がコンパクトなのでお手入れも楽になります。便器自体がかなりコンパクトになりますので床や便器のお掃除もかなり楽になり時間もかかりません。いつでも綺麗な状態をキープしやすくなります。
メリットその5
従来のトイレではロータンクに水を溜めなければ水が流れませんが、タンクレスでは水を溜めるということがありませんので連続で水を流せるといった点もメリットになります。メリット3でも取り上げたようにかなりの節水がなされていますので何回か流しても水の量は極めて少ないです。
しかし!でもいいことづくめではないのです。
タンクレストイレのデメリットとは?
タンクレストイレにはデメリットはないのでしょうか?何が考えられますか?今度はそのデメリットとなり得る点を4つ取り上げいたいと思います。
デメリットその1
まず、水道管の水圧を利用して排水させるため元々水圧が弱い住宅では設置ができません。全く無理ではなく増圧専用のブースターを取り付ける方法もありますが、その分費用がかかります。
デメリットその2
電気制御して作動しますので、停電の際は使えなくなるかもしれません。 もちろん緊急時の手動用のシステムが設置されてはいますが、緊急用のレバーを使う方法などをきちんと把握していなければなりませんし、電池バッテリーの点検などを小まめに行っていないといざという時に「電池切れ」が起きて使えないといった事態になります。
デメリットその3
また手洗いが無いため、別に手洗い用の設備をトイレ内に設置しなければなりません。
トイレの近くに洗面台があればいいのですが、離れていると手洗いの手間がかかります。トイレ内のスペースが限られていると手洗い用水栓の設置が困難なケースも生じます。
デメリットその4
さらに価格が従来のタンク式よりも高額になります。機能も様々ですが、すべてが電気制御されているため故障等が起きた場合は、メーカー対応でしか修理が困難です。つまり簡単には直りません。
以上のメリット・デメリットを精査してよくご検討いただければと思います。何故か?
取り付けてからは変更できません!
トイレの交換をお考えの方は、タンクレストイレも検討しているかもしれませんが、上記のメリット・デメリットを比較検討してお決めいただきたいと思います。各メーカーによって特徴が異なります。
どの機能がお好みなのかを考慮して必要ではない機能があればそうでない機種を選択しましょう。こちらも参照ください。➡トイレをリフォームする際の注意点
一度設置してから、「やはりタンク式が良かった」となっても変更は効きません。
もちろんすべての費用をもう一度かければ可能です。しかし、そのような無駄なことはなるべく避ける方が賢明です。”最近の流行りだから”とかで決めるよりも実際に使うとどうなるのか?をイメージして決めるようにしてくださいませ。
良い選択の一助になれば幸いです。
更新日:2020年7月21日