トイレの便器が古くなる
便器も20年・30年使っていくと老朽化が目立ってきますね。特に便器やタンクからの水漏れやウォシュレットからも水漏れしてくると、総合的な見直し、つまり便器一式の交換を考える必要に迫られます。
便器自体は陶器が破損しない限りほぼ永久的に使えるものですが、タンク内の制御部品、ボールタップやサイフォン管、フロートバルブやタンクレバーが消耗して動作不良や水漏れを起こしていきます。同時に洗浄便座から水が漏れ始めることもあり得ます。
もちろん部分ごとに修理していく方法もありますが、どうせ費用をかけるなら便器ごと交換したいと思われる方もいらっしゃいます。実はその方がメリットがあります。古い便器を新しい便器に替える最大のメリットは「節水」能力です。今の古い便器だと1回の使用で約13リットルもの水を流しています。それが最近の便器では4~5リットルです。半分以下の水量しか使わないので水道料金が変わってきます。経済的な節約にもなります。
便器を交換することは可能か?
どのような住宅でも交換は可能です。
便器も住宅や便器メーカーによっても違いがあります。まず床排水か床上排水かによって便器が異なります。床上排水の場合はこちらを参考にしてください。→ 床上排水用便器の注意点
今回は床排水のタイプを取り上げます。
特に注意しておくべきなのは「排水芯」の位置です。これは、排水管の設置個所が奥の壁からどれくらいの位置にあるか?で交換できる便器が変わってきます。通常の便器の「排水芯」は200mmです。この距離は壁から床に開いている排水管の丸い口径の中心までの長さの事を指します。それ以外の長さは便器によってまちまちです。
「排水芯」が200mm以上の便器は、リモデル式で無ければ設置できません。
便器の規格上、陶器の排水芯は常に200mmとなっています。それで床の排水の位置が奥の壁から200mmの位置に持って行くための「アジャスターソケット」という部品がリモデル用の便器には梱包されています。それを裁断して設置していくと便器が取り付けられるようになっています。
「アジャスター」は塩ビ素材ですので、シャーパーなどで簡単に切断することが出来ます。長さを簡単に合わせて裁断をしやすいように紙のシートが入っていますので、そのシートを参考にしながら合わせていきます。塩ビ用の接着剤で組み合わせたところを糊付けして排水芯に合わせてアジャスターを固定させます。床フランジボルトでしっかり固定させ、後ろの固定ビスを打ち込んでいきます。
この上にリモデル用の便器を載せて固定させます。タンクも設置すれば完成です。
便座を取り付ける
基本的に便座はどのメーカーのものでも取り付けられます。大抵は洗浄便座をお使いかと思いますが、できれば便器と同じメーカーの便座を取り付けた方が一体感があります。色もメーカーによって同じ「白」でも色合いが少しずつ違ってきます。同じメーカーのですと大丈夫です。
水を取り出す分岐金具を取り付けるところが少し難しいですが、手順通りに行えば簡単に設置できます。固定金具をしっかり取り付けることが大切です。これが甘いとグラついたり使用後に便座が傾いたりして転倒事故の原因にもなり得ります。はめ込みをきちんと行いましょう。取り付けた後に便座を動かしてみてすぐに外れないか点検しましょう。
電源は設置が終わるまで入れないようにしてください。水を開けて通水出来たら電源を差し込んで動作確認を行いましょう。すべてのボタンがきちんと動作しますか?問題無ければ完了です。
古い便器をご使用の方は、この機会に便器交換ご検討ください!