隅付タンク式様式便器を交換する

隅付タンク式のトイレ

今では古いアパートや古い木造戸建でしか見ることがなくなりつつあります。ただ、まだまだ普及率は高く、よく使われているトイレでもあります。この様式トイレには大きな利点がありました。

その1つは何と言っても省スペースです

タンク密結式の様式トイレでは設置場所に1000mm以上の奥行きが無ければ設置できません。もしスペースが無ければ一般的な様式便器の取り付けは不可能です。

つまり平米数が限られている建物では、トイレは最低限のスペースで抑えられてしまいます。そこで重宝されたのがこの隅付タンク式様式トイレなのです。この便器ではタンクがコーナーに設置されているため洗浄管が繋がれば極力、後ろ壁側に取り付けることができます。これによって狭いスペースでも設置が可能になります。

この便器のデメリットもあります。古いタイプの便器にはありがちなのですが、尿石や汚れが付着しやすくなっています。目に見える陶器部分には塗装が施されていますが、内側の陶器部には塗装がなされていません。故に汚物や汚れ、尿石などが付着しやすくなってしまい、年数が経つと流れが悪くなることが起こり得ます。

古くなって流れが悪く、水漏れもしてくる場合はどうしたらいいのでしょうか?

冒頭でも述べたように密結タンク型の一般的な様式便器はスペース的に取り付けが困難になります。ですから隅付タンク式の様式便器を新しくすることが賢明です。もちろん大規模な水回りの改装工事を考えているなら、そちらで話を進めて行けば良いかと思います。

しかし、そうしたリフォーム工事を考えていない、あるいはスペース的にも予算的にも難しいという方はそのまま便器のみを交換すれば、これまで通りにトイレをご使用できるようになります。 今回は築年数もかなり経つアパートの便器を交換しました。

よく見るとタンクから繋がっている洗浄管も腐食が激しくなっています。こういった場合は洗浄管も同時に交換することが賢明です。もし再利用しようとしても洗浄管を外していくと簡単に亀裂破損が生じて結果的に交換せざるを得なくなるからです。

この洗浄管については過去のこちらのブログを参考にしてください ➡️ 隅付タンクの洗浄管から水漏れする

一番多い洗浄管のサイズは38mmです。こちらの画像から購入できます! ベント管とL管の長さが合わない場合があります。その際には寸法を測って長めのセットをご購入ください。お取り替えの際は便器側のスパッドとタンク側の排水弁の差し込み分もよく計算してパイプカッターで切断してください。こんな道具です。⬇️ステンレスや銅管にも使えます。⬇️

 一番いいのは、古い洗浄管に新しい配管を合わせてその長さに印をして切り落とす方法です。そうすればほぼ間違い無いかと思います。必ず遊びを作って取り付けましょう。便器をしっかり固定してスパッドか排水弁のどちらかを外し気味にして差し込みしやすいようにして取り付けてください。各部の6角ナットは本締めせずに甘くしておきましょう。便器が設置し終えてから本締めします。

新しい便器を取り付ける際の注意点

まず排水芯を間違えないことです。この便器の場合、ほとんどが左右1箇所にTボルトの穴が空いています。その穴に位置に正確に便器を取り付けなければなりません。少しでもズレてしまうと排水が漏れてしまう危険性があります。

便器と床側のフランジ部のガスケットシールも湿気を無くした状態で取り付けて1発で決めましょう!排水芯に合わせたら、少しシール材が密着するよう上から抑え込み、その上で取り付けボルトのナットを締めるようにしましょう。

あまりグイグイ締め付けると陶器が割れてしまうことがありますので、ある程度固定できたら便器が簡単に動かないか手で揺らしてみましょう。固定できたらそれでOKです。その後緩んでいる洗浄管の6角ナットを本締めしていきましょう。

タンク側の排水弁が回転しないように注意

排水弁(サイフォン管)がナット締めると一緒に供回りしてしまうことがあります。そうならないようにタンクの内側に手を入れて排水弁を押さえながらナットを締めていくようにしましょう。 もし回転してしまうとフロートゴムの開閉が上手くいかず水が漏れたり、止まらなかったりする危険性があります。またボールタップの浮き球にも干渉して動作不良が起きてしまいます。必ず最初の位置になるように注意して締めましょう。

便器も洗浄管もきれいになりました!レバーを動かして洗浄テストをこないましょう!

  • 便器の設置面から排水は漏れてませんか?
  • 取り替えた洗浄管の接続部分から水漏れしてきませんか?
  • 全体的な動きに問題はありませんか?

こうしたチェックに全てクリアできたら作業完了です!お疲れ様でした!これから快適なトイレが使用できますね。お困りの方は参考になさってください!