隅付タンクと洗浄管
洋式便器の中でも隅付タンク型の便器が今でも多く存在しています。
ユニットバスのトイレはほとんどが洗浄管付きの洋式便器となっています。大抵がコーナーの壁に取り付けられています。タンクの下からメッキの部分が「洗浄管」と呼ばれるものです。
ロータンク洗浄管から水漏れ
長年しようしているとこの洗浄管から水漏れが生じます。
よくあるパターンはタンク側と便器側の「スパッド」と呼ばれる連結部からの水漏れです。洗浄管を差し込んであるところには専用のパッキンが入っています。このパッキンの劣化が主な原因です。
洗浄管には口径が2種類あります。32mmと38mmです。
この洗浄管と連結している部品は、先ほど挙げたスパッドのほかにタンク側に取り付けられているロータンク排水弁(サイフォン管)があります。
それで水漏れを修理したいのでパッキンだけを交換できるのか?というご質問があるかと思いますが、それに対しては年数や外観によりますが「NO」と言わざるを得ません。なぜでしょうか?
洗浄管が腐食していませんか?
まずこの洗浄管はすべて「差し込み配管」になっています。つまり配管をそれぞれの部品に差し込んで「差し込みパッキン」というパッキンで水漏れを止める仕組みです。この中のパッキンを交換するには一度配管を外す必要があります。
以前のブログ記事に洗浄管と同じメッキ管を使っている洗面台下のトラップ配管の腐食について取り上げました。(こちらを参照洗面台水漏れの予防とは?パイプの劣化見落としてませんか? )
このメッキの洗浄管も同じ銅メッキ製ですので経年によって腐食します。主に白い錆が付着してきます。この錆は「鉄の錆」と一緒で錆びた箇所は非常にもろくなっています。つまり亀裂や穴が開きやすくなっているのです。
そうなるとパッキンだけを交換しようと外した際に洗浄管が破損する危険があります。
ではどうしたらいいのでしょうか?
水漏れを止める万能法
それは「シールテープ」を使う方法です。
このシールテープを見たことがありますか?
このシールテープは主に配管を組み合わせる際にネジ部分に巻く材料です。
これが意外にも水漏れを止めるのに効果的です。このシールテープには「巻き方」つまり、ねじ山に対して巻く方向が決まっています。
こちらのYouTube動画を参考にご覧ください➡https://youtu.be/ppppRP4eHW4
洗浄管袋ナットを緩めて取り付けネジの部分に巻きます。あまり巻き過ぎないようにして再び袋ナットを締めてください。
この時、モーターレンチを使ってきつめに締めましょう。シールテープがいわばパッキンの働きをしてくれますので締め付けることで気密度が高まり、水漏れを防ぎます。巻き方は、ねじ込む先を右側としてネジ山に対して時計回りに巻いてください。
ネジ山にしっかり密着するよう少し引っ張るように巻きます。逆に巻いてしまうと袋ナットを締める時、剥がれるようになります。向きを決して間違えないようご注意ください。
洗浄管に腐食や歪みがひどい場合は、交換しなければなりません。
交換部材については三栄水栓の部材を紹介します。洗浄管の長さによって違いがりますが、「H80-A」か「H81-A」(80=32mm・81=38mm)で定価で¥3,900(税別)と¥5,600(税別)になります。
別のタイプは「H80-B」か「H81-B」で定価が¥4,400(税別)と¥5,600(税別)になります。違いは上部と下部の長さがそれぞれ長い方と短い方とが組み合わされている差です。
詳細はこちらからお確かめください。⇨ 三栄水栓 http://www.san-ei.web.co.jp
洗浄管は古くなるとちょっとした衝撃でも破損してしまうことがありますので、ご注意ください!水漏れしてしまったら、補修または交換を行ってください。
更新日:2020年6月15日