DIYでシャワーの修理をお勧めしない理由

今やDIY全盛期!?

DIY女子」という言葉もあり、今では自分で部屋をリノベーションしたり、修理や修繕をすることが人気を呼んでいます。やり方や方法などはネットで検索したり、YouTubeで解説付きで動画配信されていたりします。自分専用のmy工具を持っている人もいらっしゃるかと思います。

 

 

特に水回りの修理も自分でやってみたいと思う方も増えています。それまでは蛇口の水漏れや故障はすべて業者にお願いすることが当たり前でした。ところが情報化社会全盛期となった今は「自分で直す」という考えが徐々に定着しつつあります。

例えば、キッチンや洗面台、浴室のシャワーやトイレのウォシュレットなど経年劣化して使いづらくなると自分で修理する方法を検索して情報を得て、部品を交換したり、本体そのものを交換することに挑戦する方が増えてます。

しかし!

何でも修理して直る訳ではありません!

水栓金具などの設備にも限界というものがあります。一般的に水栓金具の耐用年数は10年です。

また簡単に修理できると思い、部品を調達したものの取り外しや取り付けがうまくかなかったり、部品を新しくしても症状が改善されないケースも多々あります。ではどういったものは自分で修理されない方がいいのか?これから取り上げます。

1つは浴室のシャワー水栓の部品修理です。特に挙げたいのが・・・

サーモスタット付シャワー混合水栓

 

 

このサーモスタット付シャワー水栓とは左側に温度調節レバーがあり、右側にシャワーとカランとを切り替える切替レバーが付いているタイプです。どういった故障が起きるのでしょうか?

故障原因1:切替レバー部の故障

このシャワー水栓の故障し始める症状として右側の切替レバー部の不具合が多いです。まずレバーが固くなることがあります。そうなるとなかなか回転しなくなり使いづらくなります。また「止」にレバーを戻しても水が止まらずポタポタ落ちてくることがあります。

こうしたことの原因として切替レバー内部の「開閉バルブ」あるいは「開閉ユニット」といった部品を「交換すれば直りますよ」という口コミがあるようです。これは間違いではありませんが、常にそれが原因となる訳ではありません。

故障原因2:温度調節レバーの故障

次に挙げられるのは、温度調節を行う左側のレバーの故障です。このサーモスタットは優れものです。好きな温度に簡単に調整できます。しかし、経年劣化によって温度の調節がうまくいかなくなり「お湯がなかなか出ない」「いつまで経ってもお湯にならない」といった症状が表れ始めます。

この対処法として内部の「温度調節弁」または「温度調節ユニット」「エレメント」などと表現される部品を取り替えることで直るとコメントしているようです。

実は上記の部品は交換が簡単に出来ないことでも知られています。なぜなんでしょうか?

その理由は・・・

内部部品は樹脂製のため変形または熱膨張が起きやすくなっている

切替ユニットまたは温度調節ユニットはいずれの樹脂製で作られています。給湯システムによって多少違いがあるにせよ、水栓金具までにかなり熱いお湯が供給されています。それを水栓内部で調整して設定温度にしています。

 

 

樹脂は熱にそれほど強いわけではありません。よくプラスチック製の容器に熱湯をそそぐと耐久性がもろくなるのと同じです。ある程度は強度を保てますが経年により、変形や膨張が生じてしまうのです。

そうなると部品を取り出すのが非常に困難になります。

本来ならある程度の力で引き抜けるものが、相当の力が必要になり、それでも難しいため工具などを駆使してほじくり出すことが必要になります。まだ上記の切替ユニットはいい方で、反対側の温度調節ユニットはほぼ外すの難しいと思われます。

MYMMS8200のサーモスタット付シャワー混合水栓の場合、業務委託されているKVKKP733とい切替弁が合うようです。税込でも¥4000前後でネット販売されています。

 

 

先日伺うと既にお客さんがネットで切替弁の部品を調達しておられました。自身で交換を試みたようですがなかなか抜けず、水道業者に依頼されました。が、何をやっても抜けません!1時間ほど格闘しましたが・・・断念。

お客さんには駄目だった原因や可能性についてお伝えして失礼しました。13年以上ご使用とのこと。本来は本体交換がベストかもしれません。

あるメーカーにシャワー水栓の部品の選定で問い合わせをした際に「部品の交換は困難な場合がございますがよろしいでしょうか?」と言われたのを思い出しました。つまり、交換が出来ればラッキーなことで、出来ないこともあるということを部品を調達する前によく考慮していただければと思います。お金と時間の無駄は極力避けたいですね。

自分で交換してもいいのは?

 

 

シャワーホースやシャワーヘッドなどは簡単に交換できます。接続の部分だけメーカーによってピッチが違うことがありますが、変換アダプターを取り付ければ大丈夫です。セット品には予めアダプターが予備で付いています。(購入前に要確認)それ以外のパーツに関してはあまりお勧めいたしません。

内部部品といったパーツをご自分で交換修理をお考えの方はうまくいかないリスクも踏まえた上で行っていただければと思います。

更新日:2020年5月25日