“受水槽で泳ぐ”事件は防ぎようの無い問題か?

マンションなどの給水設備

マンションや集合住宅では必ず独自の給水設備を設置しています。戸建てとは異なり多世帯に一気に給水を行うためには水道配管からの直接の量では賄いきれません。(こちらも参照➡マンションの水道水の仕組み)そのため受水槽などで水を貯めて給水ポンプ装置で各部屋に給水を行うことで解消できます。高架タンク式の場合は揚水ポンプで水を持ち上げて屋上にあるタンク内に溜めて重力の法則によって各部屋に給水させる方式です。




 

この受水槽(貯水槽)はマンションの規模によって容量が変わります。数十世帯の規模であれば10トン未満でも対応できますが、100世帯近いマンションですと10トン以上の受水槽を設ける必要があります。現在の水道法では10トン以上の受水槽を設置した場合、年1回の受水槽清掃と水質検査が求められています。そのため最低でも年1回、断水させて作業を行うことになっています。

受水槽で泳ぐ事件とは?

先月、福岡県志免町のマンションで貯水槽の中に入って泳いでいた動画が「Tik  Tok」に投稿され、その動画が「Twitter」で拡散されたことによりネット上で大炎上になってしまったという事件です。受水槽の水は各世帯での飲み水や調理でも使うものです。赤ちゃんのミルクもその水で作られているのです。今回事件となったマンションは20世帯規模で昨年9月に入居開始し始めた新築マンションですが、すでに満室でファミリータイプですので小さいお子さんもいらっしゃるマンションと考えられます。





防ぎようが無い問題と言えるのはなぜか?

今回事件を引き起こした人間は、マンションの設備管理を行う業者でした。つまり普段一般の人がしようとしても困難なところです。大抵マンションでは設備のある部屋や場所には自由に出入りできないように施錠がなされています。受水槽などのマンホール(蓋)にも南京錠のような鍵が取り付けられていることがほとんどです。

 

 

つまり、いたずらされにくいところと言えるのではないでしょうか?しかし、そこを自由に入ることができるのは管理責任を任された業者とその人間です。マンションの居住者はその管理業務をその業者を信頼して任せているのではないでしょうか?ところが今回の事件はその信頼を裏切る許されざる行為ではないでしょうか?これが防ぎようの無い問題と言える要因です。

設備会社に管理を委託している管理会社は少なくありません。管理会社は信頼できても業務委託された設備業者はどうでしょうか?以前私もマンション設備保守の仕事に携わっておりましたので分かるのですが、設備管理や保守の仕事の委託料も年々減らされる一方で、管理会社としてはできるだけ安く請け負ってくれる設備屋を探しています。そうなると設備業者の質やそこの従業員のモラルなどは2の次になってしまうことが起こり得ます。問題が起きたら設備業者に責任を擦り付ければ管理会社は守られることになりますね。ではマンションに住む人はどうすればいいのでしょうか?





信頼できる設備業者を見つけること

 

管理組合などがある場合は、設備保守を行う業者をよく吟味する必要があります。管理会社の言うことを鵜呑みにするのではなく住民一人一人も関心を払い、信頼できる設備業者に管理を委託するようにしなければなりません。決して安くはないマンション「管理費」が正しく使われているのかを考えることは大切です。

設備会社も従業員の質が高いところでは、社員教育もしっかりしています。それはある程度費用の掛かることでもあります。「安かろう悪かろう」ではよくありません。時代は低価格競争の一途を辿っていますが、この部分では得策ではありません。問題が起きてからでは遅すぎます。ぜひ信頼できる業者に委託するようにしましょう。

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