トイレの床に水漏れ?
ふと、気が付くとトイレの床に水たまりや水漏れが起きている!?ということはないでしょうか?
トイレの床に水たまりがある、トイレマットなどがびしょびしょに濡れているというようなことで気づく方もいらっしゃいます。大抵の方の心理は真っ先に「これは便器の排水が漏れてきているに違いない!!」といった感じになります。
しかし!
排水が漏れることは滅多にありません!!!
今回は最近起きたトイレの床への水漏れの事例から幾つかの原因を取り上げましょう。もしかすると同じ事例が起きている可能性があるかもしれません。当然、専門家を呼んで直してもらう必要がありますが、簡単にはいかないケースがあります。
特に「LIXIL」製の便器に起きる事例を取り上げます。
どこから水が漏れているかを見極める
まずトイレの床となれば便器の排水漏れを疑いたくなるのですがプロはそうは考えません。前にも述べたように排水から漏れることはほとんどありません。ということは床面から出ることは無く、必ず床より上部から水が漏れてい来るのがほとんどです。そこで・
よくあるのが・・・
「温水洗浄便座」からの水漏れです。
その原因と理由についてはこちらをご覧ください!➡トイレの床が濡れる、黒いシミができる 何が原因? 特に「貯湯タンク」の下から水が漏れているケースがほとんどです。温水洗浄便座の寿命は7年です。経年数によっては交換時期にもなります。
他には「ノズルユニット」と呼ばれる洗浄ノズルの収納部の辺りからも水漏れが始まる場合があります。温水洗浄便座本体を脱着できるタイプでしたら一度外してみると水に濡れている箇所を特定できるかもしれません。
温水洗浄便座が原因ではない場合は?
タンクと便器の密結部の可能性があります。
特に「LIXIL」製は独特の仕組みを取り入れています。それは「ディストリュビューター」(黒い部分)という配管構造です。つまりフロート弁のねじ込み部分がディストリュビューターの差し込み部にはめ込むという接続方法となっています。
タンクのフロート弁の内側にこのディストリュビューターの口が入り込むことになります。この設置が不具合ですと水漏れが生じます。それではめ込む際はタンクを垂直にしてきちんとはめ込むようにしなければなりません。
しかし、そもそもこのディストリュビューターが異常であれば水漏れが生じます。亀裂や穴が開いている場合です。そうなるとこのディストリュビューターの周辺に水が溜まり、その溢れた水が密結ボルトを伝って床面に水が落ちてしまうのです。異常が無いかどうかはタンクを外してこの部分を調べる必要があるのです。
タンクを脱着して調べる方法
タンクを外すには、まず止水栓で水を止めてください。
その後、止水栓につながっている給水ホースをバンドと共に外します。ホース内の水が流れ出てきますのでタオルや雑巾などでホースの先を塞いでおきましょう。その後、密結ボルトを外してください。左右に1か所ずつあります。タンクを外してディストリュビューターの周辺の水漏れをチェックしましょう。
水が溜まっていれば、ディストリュビューターを交換するかご検討ください。通常では部品の手配ができないため、メーカーのメンテナンスにお願いしなければなりません。その際は、便器とタンクの型番を控えておきましょう。
LIXIL製のみの構造ですので、他のメーカーの便器では当てはまりません。
この部分での不具合は経年劣化が主な要因となりますので、便器交換も視野に入れておかれるとよろしいかと思います。
TOTO製などで多いパターンは「密結パッキン」の劣化です。
交換の手順はタンク脱着の工程と同じです。排水弁部の口径には大小がありますので、サイズだけ間違えないようにすれば大丈夫です。38mmか51mmかのどちらかになります。この密結パッキン交換で特に注意が必要なのは便器に取り付ける時です。
密結ボルトを左右平行に少しずつ締めていきましょう。陶器がこすれる所まで来たら止めます。それ以上力任せに閉めてしまうとタンクが割れてしまいます。ある程度ぐらつきが無くなればそれで大丈夫です。水を入れてテストしましょう。
トイレの床が水浸しになった時には、以上の点を点検されることをお勧めします。
更新日:2020年3月19日