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浄水器のカートリッジを交換しないとどうなるの?

家庭用の浄水器のカートリッジはいつ交換するのか?

家庭用の浄水器には蛇口の先端に取り付けるタイプもあればビルトインタイプのように浄水器専用の水栓があるものもあれば、蛇口に浄水機能が内蔵されているタイプもあります。こちらも参照ください➡浄水器内蔵型シングルレバー混合水栓はいいですか?

どのタイプであれ必ず「カートリッジ」を交換します。

  1. どれくらいの周期で交換したらいいのでしょうか
  2. 表示よりも遅くしても問題はないでしょうか  

これからこの2つのポイントについて解説していきましょう!

1、どれくらいの周期で交換したらいいのでしょうか

 

 

蛇口の先端に取り付けるタイプの主なメーカーと機種では、東レの「トレビーノ」や三菱ケミカルの「クリンスイ」かもしれません。いずれの場合も3ヵ月に1度交換が望ましいとされています。ビルトイン浄水器の場合は12か月以内となっているようです。

カセット式のカートリッジの価格はセット売りで約¥3.000~¥4.000(税別)ほどになりますが、ビルトインのカートリッジになると約¥12,000~¥13.000(税別)になるかと思います。ビルトインの場合はメーカーによる定期メンテナンスも依頼できるようですでの、有料ですが定期交換を依頼することも可能です。

カートリッジのフィルター構造の違いでカートリッジの値段が変わっていくようです。上記の価格は標準的なタイプになりますので、良いものはさらにお値段も高くなるという感じです。この費用の面からカートリッジ交換が延びてしまう方も少なくありません。

果たしてそれは大丈夫なんでしょうか?

2、メーカー表記の交換周期よりも遅くしても問題はないでしょうか? 

 

 

期日通りに交換しなければ使用できない訳ではありません。

そもそも交換時期を明示しているのはカートリッジの水を浄水する「除去率」が低下するからです。簡単に言えばカートリッジ内のフィルターに除去されたものが溜まっていき除去対象物質の浄水効果が低下する可能性があるという理由です。

放って置いてもいいことは無い

カートリッジのフィルター内の繊細の穴に不純物が蓄積して目詰まりを起こし浄水された水の出る水量が少なくなってしまう場合もあります。更には目詰まりにより水が逆流して取り付け部分からの水漏れが生じてしまう可能性もあります。

さらにメーカーのカートリッジを周期的に交換するよう明示している理由の中には「黒カビ」の発生の危険です。カセット式の浄水器などで吐水口付近に黒いカビのようなものが付着してしまうことがあります。これがフィルター内にも生じる可能性があるということです。

 

 

ただし期日を超えれば必ず生じるということでもありません。その可能性があるという感じです。

心配な方は交換時期を守られた方が安心です

浄水器には一定の基準をクリアしていなければ販売できません。どのメーカーでもこの基準を通過したものを販売しています。これは「家庭用品品質表示法」という法律によってはっきりと明示していなければならないからです。

「家庭用品品質表示法」をご存知ですか?

家庭用の浄水器の家庭用用品品質表示法でよれば既定の除去対象物質が定めれています

主に13項目あるようですが、ざっと挙げると遊離残留塩素、濁り(雑菌・固形鉛等)、総トリハロメタン、クロロホルム、プロモジクロメタン、ジプロモクロロメタン、プロモホルム、溶解性鉛、農薬(CAT)、カビ臭(2-MIB)、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンです。どんな物質かはどうぞGoogle検索でお調べください。

 

 

 

大抵のカートリッジは、これに「浄水器協会」で定めた除去対象物質の2つも加えられています。それは、鉄(微粒子状)とアルミニウム(中性)です。現在販売されている浄水器のカートリッジはこの基準をクリアしているものですので安心してご使用いただけるかと思います。

カートリッジ交換を早くした方が良い場合

  • 井戸水を使用している
  • 高架タンク・受水タンクによる給水を受けている

それは「井戸水」をご使用の場合です。今ではほとんどの場所で使われていないかもしれません。ただ一部の地域では依然として使われているようです。水道料金が請求されていない住宅は井戸水である可能性があります。

 

 

ほとんどのカートリッジのフィルターは「中空糸膜フィルター」を使っています。井戸水は水道水と違い、不純物の混入があり、目の細かいフィルターに詰まりやすくなってしまうことが考えられます。そのためカートリッジ交換を通常よりも早めなければならなくなります。

こちらも参照ください。➡ 井戸水の水質検査はなぜ必要なのか?

通常の水道水での濾過テストでは総濾過量が表示されています。それに伴ってそれぞれの物質に対して除去率も示されています。ですから水質によって濃度がこくなればなるほど濾過率が下がり、交換時期が早まってしまうことが考えられます。

高架水槽式のマンションの場合

 

 

最近では「高架タンク式」のマンションやビルも少なくなってきましたが、まだ現状としてご使用の場合には浄水器の設置及びカートリッジの定期的な交換をお勧めします。

なぜか?

このタイプの給水方式は「揚水ポンプ」を使って受水槽からの水を屋上に設置されている高架水槽にポンプアップさせています。受水槽で一旦溜めた水を更に時間を開けて高架水槽に入れてから各戸に配水されます。その間に消毒用の残留塩素の濃度は徐々に薄れていきます

特に空き部屋の多いマンションや商業用ビルでは水の使用量が少ないため溜め水の期間が長く残留塩素がほとんど検知できない場合も起こり得ます。つまり雑菌等の除去が厳しくなってしまうかもしれません。そのためせめて浄水器を使って予防する事で衛生面での安全を確保することが出来るかもしれません。

 

 

いずれの場合でも浄水器のカートリッジを定期的に交換するかどうかは安全面や衛生面で気になる方は守られた方がよろしいかと思います。半年や1年またはそれ以上で交換をしないということは濾過処理上、効果が薄くなると考えられますので、やはり定期的に交換することをお勧めします。

更新日:2021年5月9日