浄化槽をお使いですか?正しく管理していますか?

浄化槽とは何か?

簡単に言えば、「汚水処理施設」のことです。

普通に水洗式のトイレを使っている多くの住宅にとってあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、下水道が整備されていないエリア(住宅地)では、この浄化槽が必要となります。

なぜなら家庭から流される「汚水」が河川などに垂れ流されてしまいます。そうなれば衛生的に問題が生じます。病気が蔓延したり環境破壊が進行してしまいます。

 

そのため日本では「浄化槽法」という法律で規定されています。

ご存じでしたか?1日あたり1人200リットルの汚水を排出していることになります。この汚水を微生物の働きを利用して分解し、きれいな水にして河川などに放流することが求められています。

意外にこの浄化槽を使ったエリアは多く存在します。こちらも参照ください➡下水道設備の普及率をご存じですか?意外に遅い下水道工事

正しく管理していないとトラブルが起きます

 

 

浄化槽には必ず微生物の働きを活発にさせるための「ブロワ」というポンプを使用しているはずです。つまりブロワは空気を汚水内に送り込むことで、汚水を撹拌して巡回させます。主な目的は微生物の分解作用を促すためです。またこれには同時に微生物の過剰増殖を防ぐ意味もあります。

この「ブロワ」ポンプが故障して作動しなくなると微生物が呼吸できずに死滅して汚水の分解ができなくなります。時折、浄化槽からの臭いがきつくなっている場合はブロワポンプが停止している可能性があります。

ですから時折きちんと作動しているか?確認しましょう。

 

 

故障している場合はメーカーメンテナンスを依頼して修理してもらうか、使用年数によっては本体交換しなければならない場合もあります。

しかし、浄化槽のトラブルは他にもあります。

浄化槽内に沈殿物が一杯になってしまうことです。

 

 

浄化槽の中はどうなっていますか?汚くて開けたことがない?という方はいらっしゃいませんか?もし浄化槽内が沈殿物でいっぱいになっている場合放っておくと大変なトラブルが起きてしまいます!

それは・・・

家のすべての排水が詰まります。

中には汚水だけ浄化槽処理している場合もありますが、その場合でも確実にトイレが流れなくなります。トイレを我慢できますか?人間の生理的にそれは無理なことです。使えなくなるのは非常に厳しいことになります。

しかも浄化槽内での詰まりは、専門業者でないと解消することができません。

まず汚物の汲み取りが必要となりますので量が多い場合は「バキューム車」による作業が求められます。浄化槽の大きさにもよりますが、1台で汲み取れれば1台分ですが、無理ならば2台・3台と手配が求められます。特殊作業になりますので、1台手配で数万円~数10万程度費用がかかります。

 

 

その後、浄化槽内を高圧洗浄で清掃します。新たにバクテリアなどを注入して汚水処理できるように復旧させます。一度トラブルが発生してしまうと、かなりの時間と費用がかかることを予め知っておきましょう。

トラブルを起こさないためには?

浄化槽のトラブルを起こさないためには専門業者に定期点検をしてもらうことが重要です。数か月または1年に1度は内部を点検してもらい、設備が正しく機能しているかを判断してもらうことです。

 

地元の専門業者を探してください。またはお住いの市区町村の窓口にご相談ください。指定の浄化槽清掃許可業者やし尿収集業者を紹介してもらえるかもしれません。

おそらく定期点検業務を行っていると思います。詳しいことはお問い合わせの際にお尋ねになってください。「何事も無いのに費用だけ取られるのは勿体ない」と思う方もいらっしゃいます。

しかし、トラブルは思わぬ時こそやってきます!

定期点検を入れていれば万一トラブルが起きてもある程度保証してくれます。一から手配しなくてもその業者に連絡すれば対処してくれます。費用も安く済みます。

実はこの点検作業は「浄化槽管理士」という国家資格が無いとできないことになっています。また自治体によっては条例で法定点検が義務付けられている場合もあります。それを無視していると問題が起きた際の責任が問われる可能性もあります。

 

 

実は私の実家(広島県佐伯区)でもまだ浄化槽での汚水処理をしています。まだまだ下水道整備は時間や費用がかかり、今後も続いて行くことと思われます。正しい知識と管理を心がけることで未然にトラブルを避けることができますね。

浄化槽をお使いの方はこの機会に定期点検契約をご検討ください。