和式トイレを洋式トイレに工事する

最近見なくなった和式便器

昭和全盛期ではまだ多くの住宅では和式便器が使用されていましたが、徐々に洋式トイレに入れかえられてきました。そもそも下水道設備が遅れていたためいわゆる「ボットン便所」とも呼ばれた汲み取り式のトイレも多くちまたでは「バキュームカー」なるものが走っていました。その名残があり水洗式になってもしゃがんで使用する和式便器が導入されたとも言われています。

和式トイレにも2種類あり、平らなところに埋め込んで設置する「平置き和便器」と写真のように一段上がって取り付けられている「汽車便器」というものがあります。いずれにしてもしゃがんで使用するもので、若い年齢のものならまだしも高齢者にとってしゃがむ姿勢を取ることもそこから腰を上げることもかなりの負担になります。また転倒事故にもなりかねません。

今では当たり前の洋式便器ですが、まだ和式トイレのところは洋式トイレにリフォームすることができます。どのような工事が必要なのでしょうか?予算はどれくらい見ておけばいいのでしょうか?

 

和式便器から洋式便器にリフォームする注意点

和式便器から洋式便器に入替工事を検討している場合に知っておくべき点は「スペース」の問題です。和式便器の場合、日本の狭い間取りの中で設置されているため1㎡も満たない可能性があります。壁ぴったりにして洋式便器を設置した場合でも長さが約760mmはありますので、便器を置いたら足の入る隙間も無いという事態になってしまう危険があります。この場合はトイレのスペースを拡張するリフォーム工事が必要となるため予想より大規模になってしまうかもしれません。

配管工事も必要になります。

和式の場合の排水管の位置は和式便器のお腹辺りにあります。ところが洋式便器の排水芯(排水管に接続する便器穴の中心)は常に奥壁から200mmとなっています。現在の位置の配管でも取り付けられるリフォーム用の便器もありますが、アジャスター配管を別に取り付けるという無駄な配管が必要となりますので床工事を行う際に排水管の位置を変更してしまうのが最善です。

予算は工事期間はどれくらいかかるのか?

まず便器床の解体工事から始まります。この工事でほぼ1日かかります。トイレの位置にもよりますが、玄関から離れていれば廃材などの搬出のための通路に傷や汚れなどが付かないように養生作業が必要になります。工事の前に養生をする作業で結構時間を取られます。

その後、解体工事になります。すべて終われば配管工事を行います。排水管の設置、給水管の設置などが行われます。その後、床板を張るための根太を取り付け、床板を張っていきます。隙間に断熱材などを入れる場合もあります。床板が設置出来たらCF(クッションフロアー)を糊付けして貼ります。それから便器を取り付けていきます。

電源の配線工事も必要

温水洗浄便座を取り付ける場合、100Vのコンセントが無い場合は配線工事は資格が必要になりますのでテーブルタップでコンセントを引いてそれにつなげる形になります。最後の仕上げまで入れると全体で2日半から3日は見ていただくことになると思います。工事費用としてはノーマルな便器とタンクと温水洗浄便座を入れて30万~35万円くらいになるかと思います。

追加工事が必要なこともあります。例えば給水管が古かったり腐食がひどい場合は補修工事が加わります。もちろん便器もこだわりがあってタンクレスとかアラウーノのような特殊なものでれば値段もさらに高くなります。予算に余裕がある方はいくらでもこだわりを追求してもいいかもしれませんが、厳しい場合はノーマルなもので十分です。

和式を洋式にする簡易的なものもあります。

賃貸であればそれを設置すれば座って使用することができます。しかし固定は出来ないので和式便器に乗っけるだけになりますので、高齢者の方は気を付ける必要があります。

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TOTO スワレット(和風改造用便器) パステルアイボリー CS501SC1
陶器製で固定ボルトを打ち込む本格的なものもありますが、その器具を購入し設置するくらいなら、和式から洋式にリフォーム工事した方がよろしいかと思います。

和式便器をお使いに方は、ぜひご検討ください。

2021年7月12日