INAX(現LIXIL)製の古い洗面台用のシングルレバー水栓
洗面台の蛇口も15~20年使えたならかなり長持ちしている方です。平均的な寿命は10~12年と言われています。それ以上の年数の蛇口だと水漏れが起きてしまうと修理はほぼ無理となります。
今回はINAX製(現在LIXIL)の古いデッキ式のポップアップ用のシングルレバー混合水栓を交換してみたいと思います。今回作業するのはこちらの水栓金具です。
これはINAX製の「LF-350S」になります。
シリーズ名では「ミキシーナU」というシングルレバー混合水栓で販売期間は1983年4月~1993年4月になります。つまり一番後半で取り付けたとしても既に27年が経過しています!
レバーを動かすと本体から水漏れが生じてしまっていました。かろうじて品番ラベルが本体右下の部分に残っていましたのでメーカーや品番が特定できました。実はこのポップアップ用の蛇口はメーカーと品番が重要になってきます。※INAX製水栓金具検索➡http://iinavi.inax.lixil.co.jp
なぜか?
ポップアップ用の洗面台水栓とは何か?をご説明しますと蛇口の後ろ側に金属製のツマミが付いています。そのツマミを上下させることで排水栓の蓋が閉じたり開けたりすることが出来るタイプのことです。
問題なのはこのポップアップ用の「ポップアップバー」(引き棒)の穴の位置です。TOTO製などはこの穴の位置が違うのです。
こちらの写真をご覧ください!
既に取り外したところの写真ですが、お湯とお水の穴の中心に小さな穴があります。これがポップアップ用のバー(引き棒)の穴です。大きな2つの穴より若干後ろなっていることにお気付きになるかと思います。
INAX製のポップアップ用のバー(引き棒)の穴は常にこの位置にあるのです。
ちなみにTOTO製はどうかと言うとこちらになります!
ポップアップ用のバーの穴の位置がお湯とお水の穴とほぼ平行になっています。この写真は別の現場でのTOTO製のポップアップ式の洗面台水栓を交換した時のものです。
つまり形状が同じでもメーカーによってポップアップ用のバーの穴の位置が違うため他メーカーの蛇口だと取り付けができないということになります。
ご自分で蛇口を交換される場合は、以上の点を踏まえてメーカーや品番を抑えてから交換する蛇口が取り付け可能かどうかをお確かめください!
LF-350SをLF-B350S(後継品)に交換する時の注意点
この洗面台水栓の後継品は「LF-B350S」になります。
この写真は既に交換した際のものです。ポップアップ用のバーの穴の位置もぴったり合います。外観も総メタルで見栄えもいいですよね?ピカピカになると気持ちも違ってきますね?洗面台がとても素敵になります。
ただし!問題が1つあります!
それはポップアップ用のバー(引き棒)の長さが既存のものでは合わなくなるということです!
これまでは水栓のポップアップ用のバーのツマミが本体の下部にありました。その分、バー(引き棒)の長さも300㎜程度しかありません。ところが後継品になるとバーのツマミの位置が高くなるため排水栓側のシャフトに届かなくなるのです。
ポップアップバーが400mm以上のものに交換が必要になります!
ポップアップ用のバーを長めにものに交換できれば問題ありません。バーの太さは規格品ですのでどのメーカーのものでも合います。自分もたまたま余剰品があったので助かりました。
またもう1つ注意する点は給水配管の老朽化です
今回もメッキの青銅管が使われていました。20年以上も使用していれば表面の錆(緑青錆)以外にも配管の内側の腐食もかなり進行しています。そういった錆が蛇口に入るとトラブルの原因とも成り得ります。ここはぜひとも「フレキ管」に交換しておきましょう!
耐久性・耐水性抜群です!腐食も無し。いいことづくめですよ。フレキ管の利点はは用途に合わせて自分で簡単に作れるところです。曲げたりしても給水量が変わりません。作り方についてはこちらのYouTube動画で解説しています!興味のある方はどうぞ!➡https://youtu.be/JOzR3I9AwrA
今日は洗面台用のポップアップ用のシングルレバー混合水栓の交換について取り上げました。過去のブログでもいろんな種類の水栓金具の取り換えの方法や注意点について取り上げています。良ければ参考にしてください!