今なお多い単水栓をご使用の住宅
「単水栓」は今でも多くの住宅で使われています。特に多いのが「洗濯機用水栓」です。住宅によっては混合水栓になっているところもあるかと思いますが、大抵は「水」しか出ない「単水栓」となっています。そして今でもキッチンや洗面台でも単水栓が使用されています。
なぜ昔は単水栓しかなかったのでしょうか?
簡潔に言えば「給湯システム」の進化です。多くの住宅でお湯を必要とするのは主にお風呂です。そこで登場したのが「バランス釜」ガス給湯器です。浴槽の隣接させたガス給湯器で水を釜に引き込んで熱くしたお湯を浴槽に返すという方式です。お風呂は大抵このような給湯システムが主流でした。懐かしい方も多いかもしれません。
次にお湯を必要とするのは「流し」(キッチン)です。特に冬場の炊事の際に真水を使うのはかなりの厳しさがあります。手が冷たさで堪えます。そこで登場したのが「ガス瞬間湯沸かし器」です。スイッチ1つでガスが点火して水を瞬時にお湯に替えます。これによって冬場も流しでお湯を使えるようにしました。ただし不完全燃焼などの不具合による事故もあり安全性の面では不安な面もありました。
こうした変化の中でも「水」はそのまま使用できるので「単水栓」のまま残されてきました。しかし、給湯システムが進歩していくと部屋内に給湯配管を敷設することで、家中にお湯が使えるようにすることが可能になりました。これまでキッチンやお風呂ではそれぞれに給湯器が必要でしたが器具を1箇所にして家全体の給湯を賄うことが可能になったのです。しかし混合水栓が普及していない場合もあり、その際にはお湯も単水栓を使う方式となっていました。
お湯が出る単水栓
お湯用の単水栓を使っている家もあるかと思います。お湯用の単水栓は「逆ネジ」式になっています。右回しでお湯が出て、左回しで止まります。給湯管が敷設されても単水栓でお湯を使うところもあるようです。これもいいのかもしれませんが・・・
シングルレバー混合水栓は使いやすい!
混合水栓にまとめるとかなり使い勝手が良くなり、すっきりした感じになります。これ壁付の場合ですが、台付でも同様です。単水栓よりもお湯と水の使い分けが楽にできます。ハンドル式はひねって出してひねって止める作業でしたが、シングルレバー1本ですべてが簡潔するのです。
レバー式の方が「パッキン」を使っていない分、摩耗時期が遅いです。つまり長持ちする傾向があります。パッキンはゴム製のため定期的に交換しないと水が漏れたり止まらなくなったりしてしまうのです。本体価格こそ単水栓よりは高くなりますが、使いやすさと長持ちするランニングコストを計算すればシングルレバー混合水栓の方が断然いいと思います。
それで単水栓をお使いの住宅は、ぜひシングルレバー混合水栓への変更をお勧め致します。使ってみるとその良さが分かります。ぜひご検討ください。