洗面台に物を落としてしまう
洗面台の排水に何かを落とした経験はありませんか?
これまで洗面台でのトラブルに「間違って流してしまったものが回収できませんか?」というご依頼もありました。
「ついうっかり」といったことがほとんどですが、中には「大切な物」や「高価なもの」が流れてしまった、というケースもあり、中には自分で回収しようとトラップ配管を外してしまう方がいます。取り戻せるのでしょうか?
このUトラップに残っていれば回収可能です。
洗面台にもよりますが、大抵写真のようなU字配管の底にキャップが付いているかと思いますが、この場合は配管を外さなくても回収できます。
U字パイプに下にバケツか洗面ボウルかトレイを置いてください。
それからキャップをゆっくり開けてみます。U字配管には溜まっていた排水がありますのでそれが出てきますが、それと同時に落とし物も残っていれば取り出せます。
しかし!「ピアス」くらいになると回収が困難です。
軽くて小さなものは水流によって簡単に排水されてしまい、ほとんど回収はできません。
年配者の方は部分入れ歯や差し歯などを落としてしまい回収を依頼されるケースがありましたが、やはり排水と一緒に流れてしまっていました。コンタクトレンズなどもほとんど流れてしまっています。
残念ですが回収はあきらめましょう
いずれも高額なものもありますので、出来れば取り戻したいとの一心で配管を外してしまう方がいらっしゃるのも無理ありません。けれど外したものの見つからず落胆して配管を元に戻すことになってしまうことがほとんどです。しかも元に戻す作業は意外に難しい場合があります。
配管を元に戻す時の注意点
排水栓トラップの連結部には必ず「差し込みパッキン」または「平パッキン」が挟み込まれています。まずこのパッキンが外した状態と同じように取り付けられていないと駄目です。もし取り付けが不十分ですと・・・
水漏れが発生します
これまでの事例ではこうした水漏れでご依頼される方のほとんどが、このパッキンを付け忘れていました。あっても全く違うところに着けていた方やパッキンの向きが違っていた方もいました。
それで外す前に携帯などで写真を撮っておくか、外す順番をきちんと覚えておくようにしてください。
どうしても落としてしまった直後は慌ててしまいますので急いで配管を外してしまい、そのため戻し方が間違ってしまうケースが多いです。差し込みパッキンは実は「向き」があります。
上の方が厚く、下の方が細くなっています。この向きを逆にすると全くパッキンの意味がなくなりますので、必ず水漏れが生じます。外して戻す際には、この差し込みパッキンが付いていれば、正しい向き(大抵は太い方が上)ではめてU字のトラップ配管に差し込んでください。
樹脂製の排水栓トラップの取付、取り外しの際は基本的には工具はNGです。
工具を使うと簡単に大きな力を加えることになります。その結果、締め過ぎによって袋ナットが割れたり、ネジ山を破損させたりすることになります。必ず「手締め」で行いましょう。女性の方など緩い閉め方ですと排水の圧力ですぐに抜けてしまう可能性があります。
経年数によってはパッキンが劣化している場合もあります。
本来、手で締めて水が漏れないような仕組みになっています。しかし、このパッキンが経年によっては固くなっていたり、外した時に割れたりするようなことがあれば交換しなければいけません。ご自分で無理なようでしたら、水道屋さんにご依頼ください。
メッキの配管の場合はかなり危険?
中には、「メッキ」の排水栓トラップが付いている場合もあります。銅メッキ製の配管の場合は分解はやめておいた方がよろしいかと思います。経年劣化により腐食していたり、袋ナットが固着している場合があります。
専用工具でないと外すことは困難かと思われます。外す際に配管が破損するケースもあります。このタイプの場合はすぐに水道屋さんにご依頼ください。
交換する場合は、樹脂製のタイプにしてもらえばご自分でもメンテナンスしやすくなりますし、価格も手頃です。逆に同じようなメッキ配管だと倍の値段になるかと思います。
洗面台はお出かけ前の身だしなみを整える大切な場所です。また朝一番に使う場所でもあります。
落としそうな物があるなら事前に注意して後悔のない仕方で快適に使いたいものですね。排水口に目皿のようなものを置いておくこともできますが、排水が悪くなるかもしれません。ただよく落下物がある方は予防のため設置された方がよろしいかと思います。
思い出のあるものや貴重品は排水口に落とさないようぜひご注意くださいませ!
更新日:2020年7月21日