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排水が詰まる原因 桝を点検しましょう

排水されたものはどこに流れるのか?

戸建ての場合、排水は大抵外の桝を経由して配管を流れて道路にある下水へと流れていきます。マンションの場合は床下の配管をPS(パイプスペース)内にある太い縦管に繋げ地上に落として敷地を通り下水に流しているかと思います。アパートだと露出した縦管が部屋ごとにあり最終的に地中の配管を使って下水に流し込んでいる所もあります。その途中に「」を使っている場合があります。今回は特にその桝に注目して戸建ての住宅で起きる現象を取り上げます。



桝とは何か?

各水回りの排水管を合流させるためのものです。最近では塩ビ製の桝が主流です。しかし、古い住宅では依然としてコンクリート桝が使われています。こういった桝は幾つもの段を重ねて出来ています。一番下は排水が流れるように溝が出来ています。流れる方向に向かって桝の穴の高さが違い位置が少し下がっています。

つまり傾斜を維持できます。ご存知の通り排水された水は数%の傾斜をつけなければ自然に流れてはいきません。もし平行になってしまうとたちまち排水が滞ります。つまり物は上から下へ落ちる重力が働きがありますが、それを利用して流れていきます。

しかし、このコンクリート桝は地面の土台の上に置いてあるため土台そのものが動くとたちまち支障が生じます。つまり地震や地盤沈下によって桝自体がその状態を保てなくなることがあります。そうなるとコンクリートで組んでいますので下に下がってしまい、上の段と下の段に隙間が生じることが起きています。または桝と桝を繋ぐ排水配管と桝の継ぎ目がずれてしまい、きちんと排水が流れなくなるという現象が起きてしまうのです。




これはコンクリート桝が抜けて落ちてしまっている状態です。完全に下の段と上の段が分離してしまい、もはや排水桝の役目を果たせない状態になっています。この状態を放置すると排水が地面に垂れ流しになってしまい、土壌が浸食します。もっと極端なことを言えば土台が傾いてしまうかもしれません。補修にはかなりの工事と費用が必要になります。

コンクリート桝の弱点

コンクリート桝は経年によりひび割れや上記のような地盤の変化により配管がずれたりする危険が生じます。それだけではありません。

コンクリート桝の周囲は「」です。

桝の隙間から土が流れ込むこともありますが、1番厄介なのは「木の根」です。大抵家の周りに植木を植えていることがほとんどですが、その木の根がコンクリート桝の隙間から侵入して根が異常に成長していきます。その根の成長が早くなるのは、もうお気付きのことと思いますが、排水には汚物も流れます。つまり植物にとっては有機肥料になります。

根が成長すると排水管まで伸びて行き、その量も増えていきます。その根が桝全体を覆ってしまうことも起こり得ます。こうなると家中の排水が詰まり始めます。経路によっては問題無く流れるところもあるかもしれませんが、大抵は全体の排水が滞ります。いくら手前側で洗浄剤を流してもほとんど意味が無いのです。



定期的に桝を点検しましょう

コンクリート桝のあるお宅では、定期的に桝の蓋を開けて中を点検しましょう。桝の状態に問題が無いか?排水がスムーズに流れていってるか?木の根が生えていないか?見ただけで分かると思います。もし異常が見られたら、ご自分で出来るものは自分で対処しましょう。木の根は枝ばさみなどで細かく切断してください。ゴム手袋などをして手で引き抜くことも出来るかもしれません。

桝が割れていることが分かればご家族と相談して桝や配管の補修工事を検討なさってください。

建て替えや大規模なリフォームが計画されているなら、少し前倒しして工事しましょう。業者を呼んで対処になれば、桝や配管清掃作業になり、敷地の広さによっては数万円から十数万円までかかる可能性があります。詰まってから考えるよりも余裕にある時期に検討しておくのが賢明かと思われます。

ウォーターマン

水回りの修繕補修を中心に事業を行っております。個人事業主です。広島県出身。51歳。妻と2人の息子。東京多摩エリアを中心に展開しております。

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