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蛇口の交換で注意するべきこと 作業事故

蛇口の取り付け方法はいろいろ

現在まで各メーカーから製造販売されてきた水栓(蛇口)は数え切れない程あります。今でこそ「工業規格」(JIS)が設定されていますが、一昔前はてんでバラバラでそれに合わせた水回りの設置施工となっています。

蛇口と言えば老舗の「TOTO」ですが、1980年代に売り出された蛇口にはメーカー独特の仕組みが施されています。特に洗面台の水栓は様々なこだわりが組み込まれています。その1つがこちらです。

 

 

この水栓は「TL864AX」というタイプで、生産期間は1988〜2004年になっています。現在では当然販売終了品です。最新でも16年以上が経っていますので、部品の供給もほぼストップしているものと思われます。

このタイプの蛇口の交換には注意が必要です!

まず交換品として考えられるのは、ホース引き出し式のシャワータイプの洗面台用の水栓です。通常のデッキ式のシングルレバー水栓では取り付け穴の位置が奥側過ぎて付けられません。つまり吐水位置が洗面ボウルにまで届かないことになります。

今回も交換品として三栄水栓さんの「K36710EJV-13」というホース引き出し式の洗面台用の水栓を用意しました。ただし、まともには取り付けができません。何故かというと・・・?

購入されたい方はこちらから

外してみれば分かります!

何と!こうなっています。

 

今まで付いていた蛇口用に取り付け穴が加工されています。まず吐水口部の取り付け穴の大きさは500~600mmあり、給水・給湯の配管の取り付け穴は280mm程で真横に3つ並んで開けられています。この状態では既製の水栓金具はどれも不適格となります。

つまり加工及び補修を加えなければ取り付けられません。

まずレバー部を取り付けるためには穴の口径を拡げる必要があります。穴の位置を決めて「ホルソードリル」を使って穴を拡げます。ここで注意が必要なのはカウンター型の天板の素材です。もし「陶器」であればNGです。無理に工具を入れると割れる可能性があります。

幸い厚いアクリル板でしたの電動工具を使って穴の拡張を行いました。その際に気をつけるべき点は穴の口径を拡げ過ぎないことです。開け過ぎてしまうと元に戻りません。

吐水口部は「アクリルプレート」を使って上部下部を押さえて穴の大きさを小さくできます。残りの2つの穴は「ステンレスプレート」を使って塞ぎます。穴の周辺をキレイに掃除してから貼り付けましょう。

完成した状態がこうです。

 

問題なのは洗面台下の給水給湯の繋ぎです

給水・給湯の止水栓は当初の洗面台水栓用に設置されています。その止水栓の位置が水栓金具とかなり距離が短くなっています。つまりそのままですと水栓金具のホースが長過ぎて折れ曲がってしまいます。

こう言った場合に出来るのがフレキ管を使って配管を足す方法です。

 

 

このフレキ管を足すことで取り付け位置を下げる事ができます。フレキ管は形状を自在に変化させる事が可能で、水量が変化しないという利点もあります。さらにステンレス製のため錆にも強く耐久性があります。

ホームセンターなどで既定の長さで作られた既製品が販売されています。13mmの平パッキンと一緒にご購入ください。水道屋さんでしたら自分で作る事ができます。作り方のYouTube動画をご覧になりたい方はこちらからどうぞ!→ https://youtu.be/JOzR3I9AwrA

この水栓金具の取り付けで注意が必要なのは、止水栓とホースを繋ぐジョイントです。通常の場合はこんな風に設置できます。

 

 

つまり気を付ける事はジョイントをクリップ止めしている事です。この金属のクリップがきちんと嵌められているかいないかで作業事故が起きます。特に洗面台下が狭く排水栓やポップアップのシャフトなどが邪魔していると簡単に取り付けができなくなります。

きちんと取り付けたかどうかを確認するのも厳しくなります。もし注意を怠るとどうなるか?

 

 

こんな事が起きてしまいます。

クリップが間違ったところに取り付けされています。この状態ですと水やお湯を使わなくても水圧がかかり、いずれホースが抜け噴水が起きてしまいます。

実際やっちゃいました。(泣)施工したマンションで作業完了後の夜間に住民が使用した際に水が吹き出てしまい、漏水事故を起こしてしまいました。慌てて止水していただきましたが、洗面所一帯が水浸しになり、大変な被害をもたらしてしまいました。

反面教師として恥を晒して言います。

手が入りにくい、見えづらいというような箇所での水栓交換の際はぜひご注意ください!きちんと設置されているか念には念を入れて確認しましょう!

これから土下座しに行ってきます。では。

ウォーターマン

水回りの修繕補修を中心に事業を行っております。個人事業主です。広島県出身。51歳。妻と2人の息子。東京多摩エリアを中心に展開しております。

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