マンホールの蓋から下水が溢れてきたら

マンホールから下水が溢れてきた!

8月5日午前7:30ごろ、愛知県岡崎市北本郷町の下水のマンホールから下水が溢れていると通報がありました。市の職員が対応したところ、下水管に詰まりがあるものとみて復旧作業にあたっていますが、めどは立っていないとのこと。下水の臭いが地域一体に発生してしまう事態が生じています。




この時期の暑さも加わり、下水の悪臭は広がりおよそ6500世帯に影響が及んでいるようです。市では近隣住民に悪臭がした場合は、窓を閉め、水の使用を控え、特にお風呂の水はなるべく流さないように呼び掛けています。

個別の住宅での詰まりはよく聞きますが、下水管で詰まるというのはあまり聞いたことがありません。そもそもなんで下水管が詰まることが有り得るのでしょうか?

下水道の排水方式

 

 

下水道の中を見れば分かりますが、下水管には単に排水の管があるだけで自然の水の流れを利用しています。しかし生活排水には汚水、雑排水などが混合されています。また本来排水してはいけないものも流されているものと思われます。

必然的に下水管にも汚れや滞留物が生じます。ご家庭の排水管となんら変わりません。排水が滞ると水が使えなくなります。もちろんトイレも流せません。さすがにトイレは生理現象ですから制御が利きません。衛生的な生活がたちまち脅かされる事態になるのです。





何でも流れると思うのは大間違い

排水に何でも流して構わない」と考える人は意外に多いことに気づきます。たばこの吸い殻や残飯や賞味期限の切れた食材やペットのトイレ用の砂や余ったペットフードなどなど。住宅地内の配管に詰まらずに排水されれば、下水本管に流れて行きます。

下水管は大口径ですので、余程のことが無い限り詰まることはありません。ただし自治体によって敷設配管の大きさはまちまちで、細い配管になっているケースもあり得ます。排水管はあくまでも水を考えて設計されています。ですから固形物などのごみが流れることなど想定していません。

 

 

中には廃油や化学薬品なども流し込んでいるケースもあります。以前のブログでは下水設備の普及率について取り上げています。こちらも参照➡下水道設備の普及率をご存じですか?意外に遅い下水道工事 下水処理が難しくなれば環境に大きな影響を与えかねません。やはり住民一人一人の下水に対する意識が大切になってくるのではないでしょうか?




豪雨による冠水被害にもご注意を

この季節、台風やゲリラ豪雨などによって冠水被害が生じることがあります。その水には汚水が絡んでしまう可能性があります。つまり下水管も溢れてしまうからです。ですから冠水したものは再利用を避け、消毒や衛生的な処置を施してから使用するようにしましょう。衛生的に気を付けることで、病気による体調不良をさけることができますね。