Categories: 配管編

蛇口からの水道水の水圧が強いとどうなるか?

水道水が蛇口に届くまで

 

 

そもそも水が蛇口から出てくるまでにどんな経路を辿っているのでしょうか?まずは水の供給源は何処か?という点から取り上げましょう。

水道の水の供給が途絶えないために水を貯めるダムがあります

このダムは貯水のためだけでなく河川の氾濫を防ぐ治水効果の役割も果たしています。しかしダムの水は天候によって豊かにもなれば枯渇することもあり、すべては自然の摂理に委ねられている現状があります。水の供給源としては天候に左右されるいかにも不安定なものでもあるのです。

 

 

蛇口から水が出るまでの経路とは?

主に川の水を堰き止めて水を取り入れる「取水堰」(しゅすいせき)というポイントがあります。そこから「導水管」(どうすいかん)という水路を設けて「浄水場」に送ります。この「浄水場」では川からの水を凝集沈殿させ、ろ過や消毒を行い、安全性の基準に合った「水道水」にしていきます。

 

 

そのようにしてできた「水道水」が給水所に送られ、「配水池」に一旦貯めて各家庭に届くように「ポンプ」で送水します。この時、時間ごとに変わる水の使用量に合わせて、送る水の量や圧力を調節しています。これが水道水がご自宅の蛇口から出てくるまでの仕組みです。

水道施設の近くにある住宅では水圧にも変化があるようです。

ポンプからの水圧は場所によって違う?

 

 

通常、ポンプ場から各家庭に配水される水道水の水圧は、0.25~0.3メガパスカル(MPa)です。水道法では配水管の水圧の最低基準が0.15メガパスカル(MPa)となっています。

この水圧はいったいどれくらいの圧力なのでしょうか?

0.1メガパスカル(MPa)の水圧があれば10mの高さまで上がることにあります。つまり水道管が突然破裂でもすれば平均的な水圧であれば25~30m噴水が起こることになりますね。

 

 

実際、日本の幾つかの道路で水道管破損による噴水がありましたが、すさまじい限りですよ。その辺のもの(アスファルトやマンホールや車など)が簡単に吹き飛ばされちゃいます。つまり水圧がかかれば蛇口にかかる圧力も大きいということになります。

水圧は末端に行くほど抵抗が加わり下がっていきます。末端まで水圧を保たせるためにはある程度強い圧力で水を送っていかなければならなくなります。

水圧が高いと蛇口にどんな影響があるのか?

 

 

ウォーターハンマー現象とは?

水道を締める時に、時折「ガクン!」という低い配管からの「」が聞こえませんか?これは水圧による「水撃」つまり「ウォーターハンマー」という現象です。水圧が高ければ高いほどこの「ウォーターハンマー」は弊害をもたらします。

 

 

厳密に言えば、この「水撃作用」とは水道管の中に水圧が溜まっています。

蛇口を開けることによってその水圧が水流となって流れ出ようとします。その水流を急に締め切ってしまった場合に流体の運動エネルギーが逃げ場を失い、その圧力エネルギーが配管内に急激な圧力上昇を生み出します。その時に発生する「過大圧力波」のことを指します。

 

 

この衝撃波は、水栓金具の弁体や給湯器などの制御部品に負荷をかけます。この衝撃や振動を何年も加えられていきますと、蛇口の損傷や破損が起きて水漏れなどが発生しやすくなってしまうのです。

この原理がお風呂場で使うシャワーをスイッチ式にすることでも当てはまってしまいます。こちらも参照ください。➡スイッチシャワーは便利ですが故障に要注意?

特に水の出がいい住宅は要注意です!

 

 

日ごろから水圧がいい住宅では水栓金具の損傷に気を付ける必要があります。そもそも蛇口には水圧が常にかけられています。水を出し止めするだけでも負荷がかかっているのです。水圧の高い住宅ではしばしば蛇口の故障頻度が高い傾向にあります。

では対策としてはどうすればいいのでしょうか?以前のブログでご紹介した方法をお勧めします。こちらをどうぞ➡水道料金を節約するための意外な方法

メーターバルブを閉める方法

水圧が強いと思われる住宅で元栓(水道メーター)のバルブで少し閉めておく方もいらっしゃいます。これも確かに可能な方法ではあります。呼び径によって違いが生じますが建物の大きさと比例していないものだと水圧がやたら強いという現象が生じます。

そうした場合には水道メーターバルブで若干閉めておくという手があります。

 

 

ただしメーターバルブの締め具合によっては水圧が弱くなって使いづらくなる危険が起きます。

つまり家中の水圧を考慮して調整しなければ、蛇口を1箇所使うと他の蛇口の出が悪くなることがあります。何処かが使用中は他の蛇口やシャワーがチョロチョロでは不便ですよね?

このメーターバルブは普段使い慣れている止水栓とは違い、閉めるためにかなりハンドルを回さなければなりません。コチラも参照ください!⇨水道メーターどこにあるかご存知ですか?バルブはきちんと閉まりますか?

キッチンや洗面台の蛇口の場合はシンク下にある止水栓で調整できます。(ただし壁付タイプでは無理です。)ハンドル式ではない場合はドライバーなどで開閉できます。

水道メーターでの調整は知識のない方が行うと水量不足のトラブルが起きやすくなりますのでやめておきましょう。どうしても気になってしまう方は水道屋さんにお願いしましょう。

更新日:2020年8月23日

 

ウォーターマン

水回りの修繕補修を中心に事業を行っております。個人事業主です。広島県出身。51歳。妻と2人の息子。東京多摩エリアを中心に展開しております。

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