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水の安全性を考えるべきなのはなぜか?

日本の水道は安全なのか?




諸外国の水道事情に比べると、日本の水道はかなり質が高いものと言えます。それは水質管理にかなり神経を注いでいるからです。以前井戸水の水質について取り上げましたが(井戸水の水質検査はなぜ必要なのか?)水道法という法令により、水質検査が51項目もあり、どれ1つとして引っかかった物はNGとなります。つまりその検査に合格できた「」が蛇口から出てくるのです。

しかし、本当に安全なのでしょうか?

水道水の安全性が脅かされる原因を取り上げてみたいと思います。

1、水道管の劣化

少し前に「水道民営化」の動きについて取り上げました。(参考にこちらをどうぞ➡水道民営化とはどういうことか?料金は安くなるの?)その原因には日本中の水道管の寿命が迫っていることにあります。また各住宅においても水道法改訂前の基準で造られた配管が未だに使用されており「鉛管」などの鉛が人体に入り、健康被害をもたらしてしまう危険も今なお生じています。

給水管の寿命も限界に来ています。錆は確実に進行しており、その影響は避けられません。現在水道管の耐震化工事や入替工事を実施している地域もありますが、上記の内部リンクからも分かるようにそれは、ほんの一部に過ぎないことが分かります。



2、マンションなどの受水槽の管理

マンションや集合住宅では給水システムの関係上、受水槽を設けて給水させる方式を取っているケースがほとんどです。今では水道管に直接連結できる「増圧式」が導入されていますが、まだ一部のマンションに過ぎません。

特に大型マンションよりも中規模・小規模マンションの場合が問題です。受水槽の水は給水ポンプによって各部屋に配水されています。特に10トン未満の貯水槽の管理所有者またはオーナーに任されています。水質検査や貯水槽清掃は義務付けされておらず、あくまでも任意なのです。費用をケチる所有者やオーナーであれば当然そうした維持管理の費用をケチりますので、たちまち受水槽の管理がずさんになってしまうのです。

3、水道水に含まれる塩素

現在、水道水は採水場から水を浄水場に運ばれ消毒のため「塩素」が投入されています。そして日本の水道法によって蛇口から出る水道水には必ず一定の「残留塩素」が検知できるようにしなければならないことになっています。そのため水道水には雑菌やウイルスなどが除去された水となっているのです。

しかし、この残留塩素にはデメリットもあります。

塩素を過剰に摂取すると人体に有害となり得ます。「喘息」の要因ともされています。また「トリハロメタン」の形成があります。これは消毒副生成物とも言われています。これが発がん性物質の1つともされています。ただし数分間煮沸すれば消滅します。また独特の「カルキ臭」が発生します。これも煮沸すればなくなります。



解決策としてどうするか?

「水道水や貯水槽の水を飲みたくない」という方は、大抵「浄水器」を使用するか、ミネラルウォーターを使うかのどちらかになっています。こちらの記事もご覧ください➡ミネラルウォーターと浄水器はどちらがいいのか?

水道水は基本的に飲み続けても健康被害を与えることはありません。ただし、水の管理を正しくしていないと有害となります。特に安全性を脅かす1番目、2番目の理由は、国や行政、あるいは所有者の扱い方次第で良くもなり悪くもなるものです。ただ何もしなければ不安は付いて回ります。

自己責任」の時代とも言われています。自分や家族は「どう判断していくべきか」よく検討して一番納得いく選択をしていただければと思います。安全な水を取り続けていきましょう。

 

 

ウォーターマン

水回りの修繕補修を中心に事業を行っております。個人事業主です。広島県出身。51歳。妻と2人の息子。東京多摩エリアを中心に展開しております。

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