キッチンのシンクの下が水漏れする?
キッチンの下は収納スペースのなっていますが、そこが水浸しになっているということがあります。蛇口でも排水ホースでもないとしたら一体どこから水漏れしてくるのでしょうか?
それはステンレスシンクに「錆」が生じて穴が開いているからです。
え?ステンレスは錆びないんじゃないの?
実はステンレスとは錆びにくい鉄であることをご存じでしょうか?この材質を錆びさせない主な理由には表面に「不動態被膜」によってカバーされていることがあげられます。このバリアは人間でいう「かさぶた」と似ていてたとえ被膜が傷つけられても自然に治癒する能力を持っているのです。
しかしこの強力な金属でも錆が発生してしまう理由があります。
つまり「不動態被膜」を傷つけて破壊してしまうものがあります。これは流しで使う特有の物質でもあります。
- 「塩分」・・・ほとんど食材に含まれる。
- 「汚れ」・・・煮汁・調味料など。
- 「塩素」・・・漂白剤や洗浄剤に含まれる成分。
これらは折角の「バリア」を破壊して錆を進行させてしまう要素になっています。錆びるとその部分だけが薄くなって穴が発生してしまうのです。
シンクの穴はどうやって見つけるの?
シンクに開いた穴をどうやってみつけられるのでしょうか?
「LEDライト」を使います。(明るく照らせるものであれば別にLEDでなくても大丈夫です。)
シンクの下から光を当ててみましょう。何と!穴から光が漏れます。そうです、そこです。その小さな穴が水漏れの原因なのです。シンクの中心だったり、排水栓の近くだったりします。
特に腐食しやすい場所とは?
特にシンクで腐食して穴が空きやすい場所があります。それはシンクと流し排水栓が付けられている部分です。大抵は丸い排水栓が必ず排水口に取り付けられています。この排水栓はシンク下で取り付けリングでねじ込んで設置されています。その設置箇所です。
排水栓を取り出すとこのようになっています。⬇️ 排水栓が取り付けられるようにツバが作られています。この少し凹んだ部分は周りよりも少し薄くなっています。本来はここの隙間に専用のゴムパッキンがあるため水は侵入してこないのですが、経年によってはパッキンが劣化して徐々に水が染み込んできます。
上記で説明した通り、水に長時間さらされることによって錆の進行を制御する能力が低下していって腐食のバリアが破壊されていきます。その結果徐々に錆が生じてきて、それが長時間放置されることによって穴が開いてしまうようです。
どうやって修理すればいいの?
基本的に穴が開くほどの劣化はシンクの経年によるものです。ですから流し台もしくはシンクそのものの寿命とも言えます。
ただし大きな交換工事はちょっと・・・
と思われるなら応急的な方法として「シリコン」によるコーキング補修を行うことができます。主に裏側から打ってください。塊にならないように指で薄く延ばしてください。
コーキングを打った後は1~2時間放置しましょう。水は流さない方がいいです。完全に乾いて固くなればOKです。但しこの手法は恒久的な解決策ではありません。一定期間は持ちますが定期的にコーキングを打ち直す必要が生じます。
その際には「流し排水栓取付パッキン」も交換しておきましょう。流し排水栓は規格があり、現在では口径が180mmか185mmとなっております。中には170mmという場合もありますがこれは既に対応出来ないものですので流し台そのものも交換が必要となります。
流し排水栓の下あたりから水漏れする場合
排水栓の下から水が漏れてくる場合も、ステンレスの腐食による水漏れとみて間違いないかと思います。排水栓は外さずにそのままの状態で補修できます。
まず排水栓の周りをよく拭いて水気を無くしましょう。その後、排水栓のフレームとシンクの繋ぎ目をシリコンでコーキングします。表と裏の両方に打つとより強力になります。
やはり指で薄く延ばすようにして塗ってください。打った後はやはり2~3時間は乾燥させてください。固まったら完了です。水を流して点検してみましょう。
つまりステンレスは錆びない訳ではありません
中には排水栓周りが既に腐食がひどくなっていて手が付けられないケースもあります。その場合は上記の作業をすることで酷くなる場合もあります。ご自分で作業さえれる場合は必ず自己責任で行ってください。怪しい場合はプロの水道屋さんに依頼してください。
使い方やメンテンナンス次第で長持ちする場合もあればもらい錆などによる腐食が進行してしまうこともあります。シンクでありながら水気が弱点でもあるのです。小まめに拭いてきれいな状態を維持していければずっと使えるシンクになります。
ぜひきれいに保ちましょう。
更新日:2021年7月15日