リフォームで3階建てにする時に注意すべき水道設備

リフォームで3階建てにする





日本の住宅事情は土地や建物のスペースが限られているため、いろいろと工夫してリフォームされる方も少なくありません。また諸事情により親が同居するようになり手狭になった家をリフォームして3階建てにする方もいらっしゃるかもしれません。

特に「3階部分にも必要な水まわりを設けたい」とご計画中なら知っておいた方がいい情報を取り上げたいと思います。ただ自分の理想だけで計画して工事していくと後でうまく行かないことも生じてしまいます。それによって蛇口を増設したりしても当初の予算よりもかなり費用がかかってしまう場合もありますので注意が必要です。その大切なポイントは?・・・

3階までは水圧が足りなくなる?

一般的な配水管の水圧は0.25~0.3Mpa(メガパスカル)になります。この水圧は一般の住宅の1階と2階部分の蛇口や浴室などの使用量を計算して平均的な数値を出して決められたものと言われています。つまり2階部分までの蛇口やシャワーからの水が快適な仕方で使えることが条件になっているのです。

つまり3階以上で水を使う場合は、水圧が足らないため水量が減り、勢いも激減してしまい結果的に不快な状況が生じてしまいます。またその状態はその住宅のエリア全体にも影響を及ぼし、地域全体での水圧に負担をかけることになってしまうのです。仮に現状のまま単に3階に蛇口を付けた場合、水の出が悪く、かなり不便になってしまいます。





3階以上で水を使いたい場合は?

実は3階建てにして直結給水を行いたい場合は、各自治体に許可を取らなければなりません。特に住宅地で水道管の呼び径が13mm(水道メーターの口径)が主流となっている地域では、配水できる水量や水圧には限界があるため許可を取らずに施工すると地域全体の水圧にも影響を与えてしまう可能性があるからです。もっと水量や水圧を強くするには呼び径を20mm以上に変更する必要があります。しかしそうするには各自治体への申請や指定工事店での工事が必要でかなり費用もかさんでしまいます。

 

そこで大抵は「加圧式ポンプと受水槽(貯水槽)を設置して水を送る方法」が取られています。0.5トンから1トンほどの受水槽の上に100V電源の「ホームポンプ」を設置するのが主流です。どこにお願いすればいいのか?と迷われる方にお勧めするメーカーは「荏原製作所」です。他にも「川本製作所」や「テラル株式会社」などが挙げられます。それぞれのホームページにて商品検索できます。取付や施工も手配してもらえますので、詳しくは各メーカーにお問い合わせください。もちろん他にもメーカーはありますが、この3社はポンプメーカーとして信頼できます。





問題となり得るのは?

ここで問題になるのは、受水槽やポンプの設置場所です。

ご自宅の敷地内に置くスペースをどこかに見い出せるでしょうか?最低でも0.5坪(たたみ1畳分)が無ければなりません。また受水槽に給水管も引いて来なければなりません。つまり3階建てを立てる際にはそのスペースを取り分けておかなければならなくなります。

またホームポンプも機械ものですので定期的に点検や整備および修理などが必要になってきます。受水槽に関しては10トン未満であれば清掃や水質検査の義務はありませんので、自由に維持できます。しかし、水の使用頻度が悪いと定期的にタンクの水を新しいものにしておくことも必要になってきます。(参考記事マンションの受水槽に異常が生じる原因は?

こうしたことをよく検討した上でご自宅のリフォームをされるとよろしいかと思います。