水栓交換を自分で行う
DIYが人気となっていることもあり、自分でリノベーションする方も増えています。
特に家の水栓金具を取り寄せて自分で交換したいと思われる方も多いかと思います。水道屋さんに頼むと高いし、好みでないものを取り付けられるのも嫌だと思われるかもしれません。ネット通販だと定価の50~60%オフで購入できたりします。あとは工具や材料を揃えれば交換出来ます。
しかし!
YouTube動画を見ながら試したものの上手くいかないくなり、途中で断念して水道業者に依頼するという事態が起きてしまいます。見るのと実際にやってみるのとでは違いがあります。
今回は「壁付混合水栓」の交換について取り上げます。
キッチンの水栓金具の場合はこちらをどうぞ➡台所の蛇口を交換したい方は必見 壁付混合水栓編 キッチン水栓の交換の仕方 デッキ式シングルレバー水栓
特に注意しなければならないの壁に取り付けられている水栓の場合です。浴室や台所の場合「外し方」に特に注意が必要です。
壁付混合水栓の外し方と注意点
まず水道の元栓を閉めます。屋外にある水道メーターにあるバルブをきちんと最後まで閉めましょう。こちらも参照➡水道メーターどこにあるかご存知ですか?バルブはきちんと閉まりますか?
最初に水栓本体が付けられているお湯側と水側の袋ナットを外します。本体が外れるとハの字になった「クランク」が残ります。この「クランク」左回しで外していきます。かなり固着している場合がありますのでパイプレンチなどで回すといいかと思います。水道屋さんの道具 パイプレンチ
ここで注意が必要なのは、クランクがねじ込まれている「ユニット取出し金具」です。この部分がクランクと一緒に回ると大変なことになります。
このユニット取出し金具は、裏で配管に取り付けられています。本来なら水栓金具のクランクだけ取り外しができるようになっています。しかし長年固定化していくとなかなかはずしにくくなります。
中には水漏れ防止のための「ヘルメシール」というランニング硬化剤が付けられていると、しっかりねじ込みと一体化してしまい、いわゆる「供回り」(ともまわり)という裏側の配管も一緒に外してしまうという事故が起きてしまいます。
ユニットバスの裏の配管が抜けると簡単には修理できません。
台所や壁タイルの浴室であれば、配管から直接「持ち出し金具」通称ザルボと呼ばれるものが抜けますが、これは簡単に取り付けができます。しかし、ユニットバスはそうはいきません。
「ユニット」という意味は、簡単に言えば「組み合わせ浴室セット」になっていて、パネルを組み立てて浴室が完成されています。つまり裏の配管を直す隙間が何処にもありません。
中にはシャンプー置き場や棚がシリコンではめ込まれているタイプもあります。唯一これならそのパネルだけ切り抜いて外し、裏の配管に手が届けば補修工事はできます。
しかし大抵のユニットバスはそれができないタイプになっているのです。
マンションの場合は漏水事故になってしまいます
裏の配管が外れているのを無視して元栓を開けてしまうと、水が裏の配管から噴き出してきます。目に見えませんが、水漏れの音が聞こえてきます。
戸建てで1階が浴室ならそれほど問題はありませんが、マンションの2階以上の階の部屋でやってしまうと確実に階下に漏水が生じます。給水管の水漏れは、発見が遅れれば遅れる程、被害が大きく、損害も大きなものになってしまいます。
どうすいればいいのか?
クランクを外す時「ユニット取出し金具」が一緒に回っていないか?十分に確認してください。
もし供回りしているようなら、プライヤーなどでユニット取出し金具を固定させて、クランクを回します。そうすればクランクだけきちんと外せます。
自信が無いようでしたら、無理をせずに専門の水道業者にお願いしましょう!
もちろん水道屋さんもやっちゃったりします。しかし大抵の水道屋さんは「経験」や「腕」があっても作業事故が無い訳ではありませんので損害保険をかけています。万が一起こしてしまったら保険で対応しています。
しかし、一般の個人で漏水事故を起こせば損害保険に加入していないと個人で賠償しなければならなくなります。この場合過失責任がその人個人にかかってきますので(加害者のため)火災保険等の補償からは出ないと見た方がよろしいかと。詳しくは保険約款などを今一度ご確認ください。
自分で交換できることはコスパにもなり、素晴らしいことですが、いろんなリスクも計算に入れておくことも大切です。簡単に外せて取り付けができればラッキーと思っていいです。大抵はそう簡単には交換できません。
水道屋さんは経験と技術でカバーできますが、一般のDIY者は上記のリスクを計算に入れなければなりません。このブログが少しでも参考になれば幸いです。
更新日:2020年12月7日