水にこだわる人は多い
水道の水をそのまま飲んでいますか?
もしかすると水道水をそのまま飲むことに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。直接飲む水だけではなく、調理や食材を洗う時に使う水やお米を炊くときの水に気を使っている方も多いかと思います。
特に水道水で気にしている要素は「残留塩素」かもしれません。
現在の水道の水は、水道法による水質基準によって消毒効果のある塩素を使って滅菌してします。その基準は1リットルあたり残留塩素濃度が0.1ppm以上というものです。この塩素がいろいろな形で影響を与えていると言われています。
その一つは臭いです。
いわゆるカルキ臭と呼ばれるものの原因ともなっています。イメージしやすいのは、夏に入るプールの臭いです。プールの場合は消毒の意味で別に塩素を足しているようですが、塩素独特の臭いがしますよね?水道水も同様なのです。
塩素は食材の味や成分にも影響を与えるとも言われています。
試薬で検査をすると大抵このような色で反応します。塩素濃度が濃いほどピンク色が濃くなります。以前の試薬O-トリジン液(反応すると黄色)は有害性が指摘されたため今ではこのピンク色で識別する試薬になっています。
逆に試薬でも反応が全く無いと消毒効果が無いということにもなりますので、それはそれで問題なってしまいます。この事例が見られるのがオフィスビルです。
中規模のオフィスビルの残留塩素はほぼ無い?
時折、雑居ビルなどでは高架水槽方式の給水システムになっている場合が多く、その場合、高架水槽の溜め水の塩素が飛んでしまっている場合があります。オフィスビルですので使う水の量も一般家庭ほどではないため水の循環も良くありません。
またオフィス内にはウォーターサーバーなどを置いてあることもあり、高架水槽の水が「溜め水」状態となってしまい、時間が経てば経つほど塩素が揮発してなくなっていき、測定できないほどになっているところもあるのです。これでは滅菌がされなくなりますので水質的に危険です。
そこで考えるのは「浄水器」を取り付けるといいのか?という点です。
浄水器の効果はどれほどのものか?
浄水器にも様々な種類があります。
まず、浄水器については以前のこちらのブログも参照ください。➡️ 浄水器
浄水器はそれぞれ形やフィルターの中身が少しづつ違いがあるものの、どのタイプもある程度残留塩素を除去する効果はあると言えます。基本的な構造はどれも同じで「活性炭」や「中空糸フィルター」を使用しています。各メーカーのサイトをご覧になると製品の試験データを見ることができます。
フィルターや本体のランクもあり、高塩素除去タイプや浄水器の機能によって値段が変わってきます。カルキ臭や塩素が気になる水道水の場合は、ランクの高いものの方が良いかと思います。
1番手頃な浄水器は、蛇口の先端に取り付けるカートリッジ式の浄水器です。
有名メーカーで言えば・・・
東レが出している「トレビーノ」や三菱ケミカルの「クリンスイ」といったところになります。カセット式のカートリッジで交換も楽です。値段も手ごろで取り付けも簡単です。
大型スーパーやDIY店でもカートリッジが販売されていますので購入もしやすいかと思われます。切替レバーでシャワーにもなります。店舗とのタイアップ商品も販売されています。
更にもう1ランク上をご検討なら・・・
整水器というタイプもあります。
これは大抵が置き型で電源が必要です。浄水機能以外にも、水を電気分解してイオン水や水素水を生成させることができます。また原水にカルシウム・マグネシウム・ナトリウムなどのミネラル類を補正した水を作ることが出来るようです。
ただし整水器本体を置くスペースが必要になります。また本体の価格はかなり高いものになります。写真は日本トリム㈱の整水器です。➡️http://www.nihon-trim.co.jp
こんな方法もあります
浄水器内蔵型混合水栓に交換する。
水栓本体に浄水機能を持たせた水栓があります。
吐水口のスパウト部分に浄水器カートリッジが挿入されています。切替コックが先端に付いていて浄水・原水・シャワーと切り替えられます。フレキホースが引き出せるようになっていていろいろな用途で使用ができます。
上記のタイプのように外付けではないためスペースを取らず、すっきりした感じになります。交換も簡単でフィルターも手頃です。ただ本体価格が標準タイプの蛇口の2~3倍になるかと思います。
浄水器を使用する注意点とは?
浄水器を使用するにあたって注意する必要があるのはカートリッジを定期的に交換することです。そんなの当たり前と思われる方も多いかもしれませんが、しばらく使っていると面倒くさく感じ交換しなくなります。そうすると常にカートリッジ内に除去されたものがずっと溜まっている状態になりますので衛生的に良くありません。(下の写真はINAX製カートリッジ:JF-20)
浄水器の濾過量というもの決まっているためメーカーは交換の間隔を提唱しています。ただ必ず守らなければいけない訳ではないので、交換目安(3~4ヶ月)よりも少し長めにしても大丈夫です。大切なのは定期的にカートリッジを交換することです。
さらに使っていくうちに浄水器本体や切替コックに汚れが溜まりやすくなります。大抵白い本体容器なのでよく見るとくすんでいませんか?ほこりや水垢、黒カビなどが付きやすいものなので、時折本体を外して不要になった歯ブラシなどで洗剤を使って掃除しましょう。
浄水器をどうするか
浄水器をどうするか判断材料になりましたでしょうか?
水は直接体に取り入れるものでもあります。水によって飲み物や調理した物の味が変わってきます。また健康にも影響します。日本の水道水は諸外国に比べるとかなり水準は高い方だと思いますが、消毒効果による残留塩素による弊害?など考慮すべき点もあります。個々のご家庭でよくご検討くださればと思います。
更新日:2020年11月19日