タンクが割れる原因とは?
忘年会シーズンが到来しました。何かとお酒を飲む機会が増えるこの季節には、飲み過ぎて問題を起こしてしまう時期でもあります。
特に飲食店や飲み屋でトイレに行ってふらついてタンクに寄り掛かったり体重を押し付けたりしますと、タンク陶器が割れる事故が起きます。お店なら損害保険などで保障されるケースがありますが、自宅でやらかしてしまうと大変なことになります。
タンクは意外にもろい
トイレのタンクは便器と2本のボルトでしか固定していません。あとは給水管が横に付いていますが、それは支えにはなっていません。つまりタンクは便器の上に”ちょん”と載っていると考えておいた方がよろしいかと思います。
ですから便座に座っていてのけ反ったり、うしろにもたれたりすればタンクの「密結ボルト」の部分、つまりタンクの底の部分から割れてしまうことになります。
水道業者もタンクの扱いには神経を使っています。タンクを取り外して中の部品を交換しなければならない場合、装着する際にはボルトを締め過ぎず、緩過ぎない適度な締め方で固定させています。
実際、私も駆け出しの水道屋だった頃、このタンクのボルトを力任せに締め付けるだけ締め付けタンクを割ってしまったことがあります。今思えば馬鹿だった思えますが、知らないと怖いです。
タンクを割ると大変ですよ!
タンクを破損させてしまうと、修理では直せません。陶器をくっ付ける接着剤もありません。ほとんどの場合、タンクの交換になります。しかし、これが簡単には済みません。
何故なのか?
お使いのトイレの便器は何年前のものですか?
もしかして15年前とか20年前というお宅もあるかと思います。メーカーに同じ型番のタンクを取り寄せれば済むとお考えなら大間違いです。メーカーは製造終了から数年で販売終了となります。
そうなると在庫に残った品番のものを修理交換品として在庫しておきます。しかし、それも直ぐに終了となり同じ型番のタンクは取り寄せもできません。特に陶器便器の場合は代替品というものがありません。同じメーカーでも型番が違えばそのタンクは付きません。
そうなりますと、おのずと答えが見えてきますよね?そうです
便器ごと交換しなければならなくなる
ということになるのです。
古いタンクを破損させれば便器丸ごと交換しなければなりません。かなり高くついてしまうことになります。もちろん便座も今までのものでは合わない事も起こり得ますので、便座も交換ということになります。
最近の便器ですとタンクとセットで定価は約¥10万~で便座は洗浄機能付きですと定価¥4万~くらいになるでしょうか。もちろん取替工賃や廃品処分代も別に取られます。冬のボーナスが便器代に飛んでいくなんてことは避けたいですよね?
陶器は割れたら終わりです。元に戻すことなどできません。この時期おいしい楽しいお酒を飲むのは結構ですが、飲み過ぎて羽目を外すと「その代償は高くついてしまう」ことは頭に入れておいてください。トイレに行く際にはくれぐれも気を付けてくださいませ。
では楽しい忘年会を!
更新日:2020年8月1日