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立水栓・散水栓の凍結にご注意を

屋外にある水栓の凍結

庭やガレージなどに「水栓」がある場合に、冬場の凍結による配管破裂が多くなります。

特に「水栓柱」で蛇口が付けられているタイプは注意が必要です。

年数が経っている場合、配管自体も老朽化していますし、耐久性も落ちてきています。ここ何年かの冬場には都市部でも氷点下に落ち込むことがあります。これからの冬に向けてどんな対策を取っておくといいのでしょうか?

まず配管が破損してしまう原因について取り上げます。

 

配管が破裂するのはなぜか?

特に気温が低くなるのは深夜から明け方の時間帯です。

大抵、その時間帯は寝ている方がほとんどです。つまり水を使わない状態が続きます。そうなると給水配管には水が溜まったまま動きません。そうなると配管の中の水がそのまま凍結し始めてしまうのです。寒冷地では水抜きシステムがあります。

本来凍結を防ぐ保温材も古くなるとあまり効果性が無く凍結が防げません。

 

 

ご存知の通り、水は凍ると体積が増えます。つまり膨張します。例で言えば、冷蔵庫の冷凍の製氷皿の水が凍ると大きくなっているのをよくご存知かと思います。配管の中で水が凍って膨張すれば当然その圧力に負けて配管が割れ易くなります。

特に古い塩ビ管はご注意を

大抵の配管素材は塩化ビニル(VP)です。ねずみ色の管を見たことがあるかと思います。この管の断面を見ると、意外と肉厚です。およそ2mmくらいはあります。かなりの強度があるものですが、経年により脆さが出てきます。

特に雨風や直射日光などがもろにあたる場所にある配管は劣化が早くなります。保温材がきちんと施されていない箇所があればそこから凍結破損が始まるかもしれません。

本格的な冬が来る前に一度家の周囲の配管を点検しましょう!

HI-VP(耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管)とは?

標準的な塩ビ管(VP)より更に丈夫で耐久性のある配管があります。それがHI-VPと呼ばれる塩ビ管です。この管材はかなり強力です。塩ビ樹脂に強化剤が含まれていますので、色も濃くなります。

 

 

この配管ですと標準のVP管よりも3~5倍の強度が増すとも言われています。特に寒冷地ではこの配管でないとすぐに破損してしまう状況です。接着剤もVP用とHI-VP用のものが分かれています。

どちらでも一応接着しますが、やはりHI-VP用のものを使った方が無難です。古い水栓柱や散水栓の配管は大抵、VP管の可能性が高いです。毎年凍結に近い状況を切り抜けてきたかもしれません。

しかしいつかその状態は終わりを迎えます。給水配管が破裂して一番困るのは、補修工事を依頼して業者が来るまで元栓を閉めなければならないことです。配管破裂がいつ起きるのかは予測が付きません。

例えば、早朝に破裂して徐々に水が噴き出してきます。それに気が付くと、慌ててとりあえずメーターバルブ(元栓)を閉めて水を止めます。一時はホッとしますが、そうすると家全体の水が止まることになります。朝の歯を磨くことも顔を洗うこともできません。当然トイレも流せません。食事の準備もままならないことになります。

治療よりも予防

古い水栓柱はそのまま使い続けるのであれば、防寒対策を打っておきましょう。

天気予報で寒波に襲われることが言われたなら、水栓柱に不要になった毛布など巻き付けておくことができます。また家の配管の状態を点検し、露出しているような場所にはタオルや毛布を巻き付けておくこともできます。

蛇口にもタオルやぼろきれ等を巻いて固定してください。何もしないと破裂する危険があります。

病気と一緒です。壊れてから工事をするよりも予測して予防しておくことの方が知恵の道です。配管補修工事となれば5~10万、場所によってはそれ以上の工事代がかかるかと思います。いろんな意味で痛いことになりますので、ぜひ行ってみてください!

更新日:2019年11月4日