ハンドルが固くなるのはなぜか?
今までは普通にひねって出て来た蛇口ですが「突然ハンドルが固くて回らなくなってしまった」というご依頼がありました。
実際に動かしてみると固い固い(-_-;)・・・
これでは日常の炊事が出来なくなってしまいます。これまでのブログで2ハンドル水栓の仕組みや故障の原因について取り上げてきましたが、もう少し細かなケースとして今日は解説していきたいと思います。
このような水栓には必ず、ハンドルの内部に「スピンドル」と呼ばれるネジのような部品が入っています。その下に水栓コマ(ケレップとも呼びます)が付いています。
いわゆるパッキンです。
ねじ回しの原理でこの水栓は出来ています。ネジは右回しでねじられて奥に入っていきます。木に木ネジなどをドライバーでねじ込むとイメージしやすいですね。逆に左回しでネジが上に上がってきます。「スピンドル」もその要領です。
水栓金具の本体側にネジ山があって、そこにスピンドルのネジがねじ込めるようになっています。そこには丸い穴が開いていますので、ネジが下にねじ込まれてパッキンが下に押されその穴を塞ぎます。これで水の出し止めがなされています。
しかし、長年使用していくとスピンドルも本体側も金属疲労を起こしていきます。つまりハンドルが固くなる原因は、徐々に内側の金属が変形や摩耗をしていくことで生じています。
特にスピンドル側はネジ山の凸部分が薄くなっています。その凸部分が欠けてガタガタになっていきます。つまりスムーズにネジ山の動きが出来なくなってしまうのです。中にはスピンドルのネジ山がほとんどなくなっている場合もあります。この場合は水が止まらなくなる可能性があります。参照➡️蛇口のハンドルが空回りするのはどうしてなのか?
このスピンドルの動きが悪くなれば当然スムーズにハンドルが回らなくなってしまいます。力で何とか回すことも可能ですが、最終的には固着して回らなくなります。グリスを塗っても一時的な効果しか得られません。
この場合は水栓金具の寿命とみるのが妥当です。
水栓本体を交換することをお勧めします。本体の価格は上記のミニキッチン用の場合は定価¥12,000~¥15,000台(消費税別)で販売されていますが、湯水の芯々が200mmの場合は¥18,000~くらいになるかと思います。当然工賃がプラスされます。
本体の劣化は見た目では分からないことが多いです。ただ本体交換だと予算が厳しい・・・
修理は無理なのか?
本体を替えずに修理は無理なのですか?
時々このようなお願いをされることがあります。
まず水栓金具の耐用年数が10~12年であることを踏まえて、それ以上であれば故障した時点で本体の交換が望ましいのですが「費用がかかり過ぎて捻出できない」と言う方は「給水栓上部」というスピンドルの部品だけハンドルごと交換することができます。
この部品ですと1個が¥1,500くらいですので2つでも¥3,000(消費税別)で済みます。これでしばらくは使える場合もあります。ただ保証できる期間はありません。ホームセンターの水回りコーナーで販売されています。
SANEI 水栓補修部品 給水栓上部 固定コマ仕様 呼び13水栓用 湯・水用キャップ付き PR18AK-13
交換の際の注意点
必ず「ハンドル」とセットで交換するようにしてください。
スピンドルだけ交換してハンドルは今までのものを使いたいと思う方もいらっしゃる方がいました。しかし、スピンドルとハンドルはメーカーによって「取付ネジ」のサイズやピッチが微妙に違います。
ハンドル部は再利用したいと思われるのであれば同じメーカーのスピンドルを購入するしかありません。(なかなか探すのも難しいかと思われます。)数百円ケチって苦労するよりもセット品を購入された方がスムーズに修理できます。
もう1つは、お湯と水の両方を替えておくと安心です。
つまり同年数経過しています。お湯だけ交換して直っても、負荷が弱い所にかかります。そうなると消耗している古い方に加わり、水漏れ等の症状が新たに発生してしまうかもしれません。
基本的なことですが・・・忘れてしまうと大変なことになるのは・・・
ご自分で交換される場合、必ず元栓を締めてモンキーレンチやドライバーなどを用意して行ってみてください。その場合は必ず元栓を閉めてください。不用意に外してしまうと水が吹き出て家中水浸しになってしまいます。ご注意ください。
こちらのブログも参考に見てください!➡パッキン交換で水漏れを直してみましょう!
更新日:2020年5月30日