水漏れはパッキン交換では直らない

パッキン交換神話を払拭

蛇口の水漏れが始まると「パッキン交換したら直る」とお考えの方多いことに気付きます。昭和から平成初期の時代はまさに修理と言えばパッキン交換でした。しかし、現在ではパッキン交換で水漏れを直せることがほとんどありません。水栓も今やシングルレバー式が主流でハンドル式は少数派となっています。レバータイプはパッキンで水の出し止めを行っていないのです。詳しくはレバー式水栓について過去のブログをご覧ください。もちろん単水栓が使われている所もまだありますので修理が出来ない訳ではありません。しかし、浴室ではサーモ付きシャワー水栓やキッチンではシングルレバー水栓をご使用になっていればまずパッキン交換できるところはありません。

水栓の進歩は止まらない

ハンドル式しかなかった蛇口がシングルレバー1本でお湯や水を使い分けることができるようになったことは大きな進歩でした。年配の方はハンドルを強く閉めたりするのは大変だったと思います。しかし、レバー式は軽くレバーを上下させればお湯も水も自在に使えるのです。今では自動水栓も多く普及してきました。センサーが付いていますので、手をかざせば水やお湯が自動で出てきます。先日のブログでも取り上げた浄水器内蔵型水栓も人気があります。さらに吐水口がシャワーに切り替わったりフレキシブルホースが伸びて使えるものもあります。便利で快適に使える水栓が増えてきましたが、今後も各メーカーがさらなる水栓金具の進歩を図って行くことと思われます。

便利になれば修理も困難

水栓金具が進歩すればする程、水漏れなどの故障が起きた場合はそう簡単には直りません。般反る式の場合は水を止めてスピンドルを取り外していわゆるパッキンとなるケレップ(水栓コマ)を交換すれば済みましたが、今は複雑な部品が中に組み込まれています。もちろん部品を取り寄せて交換すれば直る場合もありますが、モデルチェンジが早ければ部品の在庫が無くなるケースも考えられます。ただし部品の種類が多く、細かい部品まで交換が難しい箇所では大きなパーツごと交換しなければならず、その部品代も高額になります。年数によっては本体交換の方がいい場合もあります。メーカーによってはインターネットのサイトから品番を調べれば、その水栓の展開図や詳細情報が見れるものがあります。小さなネジからOリングなど様々な部品で構成されていることが分かります。そのどの部品が故障の原因かを綿密に調べるのは困難を極めます。

水栓金具に限らず、家電や自動車でも便利な機能が付与されればされるほどメンテナンスが難しくなります。これまでの経験で修理できるものが減っていけば水道屋さんも仕事が減ります。メーカーでしか扱えないようなものは我々は手が出せません。下手に分解して直そうとして逆に壊してしまったり、水漏れするようになったり水が出なくなったりすれば元に戻せないなら弁償しなければなりません。「危ない橋は渡らない」が原則なので修理のみを依頼されるお客さんにはメーカーのメンテナンスをお勧めします。保証期間であれば大体無料ですが、既に越えているようでしたら有償です。またメーカーメンテナンスはあくまでもメーカーの一部ですから、緊急サービスは行っておりません。大抵は土日は休みで営業時間内でしか受付しませんし、作業手配もかなり遅くなってしまうパターンが多いようです。いろいろ考えると便利になればデメリットも生じますね。

 

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