排水管の詰まりを抜く道具 電動トーラー機

排水管の詰まりの原因





台所やお風呂場などで排水が詰まることがあります。主な要因については以前のブログでも取り上げましたが、排水に含まれる「油分」です。油分はビニール管に付着しやすく、経年によっては(かたまり)のようになって排水を堰き止めてしまいます。

特に排水配管は床下に伸びていることがほとんですが、流れやすくするためにある程度の勾配(ほんの数%の傾斜)を保たせて取付しています。しかし土台などの障害物を避けながら曲がりを付けつつ組んでいきまので、スムーズには流れてはいきません。そうしたいわゆる「エルボ」になった配管に汚れは溜まりやすくなります。一度詰まると市販の洗浄剤ではほとんど効果がありません。

詰まりの解消法

排水の配管内での詰まりは水道屋さんを手配するしかありません。こういった配管での詰まりを解消させるために水道業者が使う道具は「電動トーラー」という道具です。ヤスダ製トーラー機FX3型機です。大抵100Vの電源で動く「電動トーラー」機です。ドラム内には太さ8mmのワイヤーが約9m分、巻かれて収納されています。

ワイヤーの太さは4種類あり、他に6mm・10mm・12mmといったものもあります。電源ケーブルがあり、ACコンセントに差し込み、電源スイッチを入れるとドラム部がワイヤーごと回転します。ゴム手袋をして回転するワイヤーを排水管の中に送っていきます。勾配があるので押し出す際には力はそれほど入れませんが、曲がりが多い配管では力で押し込めない進んで行かないこともあります。回転の速さはオレンジ色のダイヤルで回しながら調整できます。

 






送り(右回転)と戻り(左回転)をスイッチですぐに切り替えることができます。送りの回転で配管に送っていきますが、途中で入りが悪くなった場合に逆回転にしたりしてワイヤーが奥まで入れるように操作できます。この辺りは経験が無いとできない技かもしれません。

トーラー機

 

ワイヤーの先端(ヘッド部)には、詰まりの用途によって交換出来ます。写真についているのは「板バネヘッド」です。主に「油脂詰まり」に汚れを削り落とすのに効果的です。この刃が回転して配管に付着した油分を削いでいきます。台所や厨房といった油汚れが付きやすい配管詰まりには最適ですね。他にも、豚の尻尾のような「ユニバーサルコイルヘッド」(写真下側)があります。

 






この刃は、主に髪の毛や布、野菜くず、紙などの詰まりに効果的です。繊維系の異物が配管に詰まった場合は、このヘッドで異物に絡みつきそのまま引き抜くことが可能です。アルミたわしやスポンジなどが流れてしまった場合もこのヘッドが最適です。また「ユニバーサルブラシヘッド」(写真上側)は小便器での詰まりや鉄錆による詰まり、頑固なスケール詰まりに効果的です。

困難なケース

大抵の配管で使用できるものですが、40mm以上の配管には不向きです。配管が太いと空間がありすぎてワイヤーが遊んでしまい、曲がりや閉塞物などにワイヤーが当たるとよじれてしまうことがあります。そうなるとワイヤーが配管を進み辛くなり洗浄がきちんとできません。

逆に配管があまり細いとワイヤーが入りません。例えば、ラーメン店などの飲食店の厨房などで「麺茹機」の溢れ管が詰まることがあります。その管は20mm前後くらいになりますが、到底8mmのワイヤーでは通すことができません。

またこのタイプでは長さが12mが最高になりますので、大きな敷地にある住宅での配管詰まりの際は配管が長すぎてトーラーのワイヤーが短いため十分な”詰まりの元まで届かない”という可能性が出てきてしまいます。中継用の枡などがあれば区切りの間にワイヤーを入れることが可能ですが、まったく無い場合は完全に洗浄することが困難になります。

また、鉄管での錆詰まりの際には、回転していくワイヤーの力で腐食した配管を突き破ってしまうケースも生じています。作業するにあたってはそうした状況をよく精査して行うようにしています。

 






この道具は、詰まった元を除去して開通させることが目的の道具ですから、配管内をきれいにするための道具ではありません。もちろん開通して排水が勢いよく流れれば配管内もある程度きれいになっていきます。しかし汚れは完ぺきには取り除けないということも理解しておくことが必要です。重さも結構ありますので、結構腰に来ることがあります。移動には台車なども活用した方がいいですね。

トーラー機は配管の詰まり抜きには非常に交換的ですが、オールマイティではないことも知っておくべきです。経験ある作業員であれば感触で可能か不可能かを判断できます。微妙な場合は依頼されたお客様に事前に許可をいただいて作業することが必要です。